1回TKO勝ちと圧倒的な強さを示し、雄たけびを上げる武居由樹=横浜市中区の横浜BUNTAI(撮影・岩崎叶汰) プロボクシング興行「NTTドコモ Presents Lemino BOXING」(28日、横浜BUNTAI)WBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者の武居由樹(28)=大橋=が挑戦者で同級7位のユッタポン・トンデイ(31)=タイ=に1回2分7秒TKO勝ち。3度のダウンを奪う127秒殺で2度目の防衛に成功し、右肩のけがからの完全復活を印象付けた。
まさに圧巻だった。秒殺劇を完結させると、武居は大声で叫んで喜びを爆発させた。
「とにかく今日は倒さなきゃいけないと思って最初から倒しにいった」
1回開始直後に左フックでダウンを奪うと、立ち上がった相手に再度の左フックでダウンを追加。ロープにつめてまたも左フックで倒すと、最後はラッシュをしかけ、レフェリーが試合を止めた。キャリア無敗で1度もダウンのなかった挑戦者をあっという間に料理し、大歓声を浴びた。
1月の防衛戦は武居の右肩関節唇損傷で延期に。キックボクシング時代から35戦のプロキャリアを誇るが、初めて試合を延期させ「結構落ち込んだ」。それでもPRP(多血小板血漿=けっしょう)療法を4度受け、懸命のリハビリ。同時に左のパンチの強化に努め、この日はすべて左フックでダウンを奪った。王者がメインイベントを務めるのは初だったが、昨年4月に開業してプロボクシングでは初の興行となった会場を大いに盛り上げた。
次戦は指名試合で同級1位のクリスチャン・ヒメネス(メキシコ)との防衛戦。世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と同じ9月の興行での対戦が濃厚だ。その先には来年にも同じ元キックボクサーの那須川天心(帝拳)との対戦を見据える。大橋ジムの大橋秀行会長は「指名試合が終わったらおもしろい対決を実現させたい」とニヤリ。那須川とは統一戦となるのが理想だ。
世界戦で初のKO勝利を果たした強打のサウスポーは「もう1本ぐらいベルトがほしい」と意欲。日本選手が中心のバンタム級で存在感を取り戻した。(尾﨑陽介)
武居 由樹(たけい・よしき) 1996(平成8)年7月12日生まれ、28歳。東京・足立区出身。10歳でキックボクシングを始め、2014年にKrushでプロデビュー。KrushとK-1で王座を獲得し、21年3月に大橋ジムからプロボクシングデビュー。22年8月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座、昨年5月にWBO世界バンタム級王座を獲得。プロ戦績は11戦11勝(9KO)。左ボクサーファイター。170センチ。