五回、2点適時二塁打を放つ阪神・佐藤輝明=甲子園球場(撮影・根本成) (オープン戦、阪神4-5DeNA、8日、甲子園)大きなカモメが二塁塁上で高く飛んだ。レフト線に弾んだ打球が砂を巻き上げると、360度黄色で染め上げられた甲子園から、地鳴りのような歓声が上がった。佐藤輝明内野手(25)自身も納得の一打に、ナインもカモメポーズで祝福した。
「最後打てるところに来たので良かった。(直前の空振りから)タイミングの修正ができた。打球がフェアになって良かったです」
1-0で迎えた五回。1死満塁の好機で佐藤輝に打席が回った。カウント3-1からの4球目、高め直球をフルスイング。惜しくもボールはバットの上を通ったが、一発を期待するファンからはどよめきの声が上がった。フルカウントとなり、続く5球目。育成左腕・庄司の外角直球をきれいにはじき返した打球は、レフト線で弾む2点二塁打。アルプス席が開放された土曜日の甲子園は祭りのような雰囲気に包まれた。
出場したオープン戦全4試合で安打を記録。右に左に長打を放ち、打率は・667(9打数6安打)。OPS(長打率+出塁率)は1・949と、相手投手からすれば手が付けられない無双状態となっている。
7日のDeNA戦(甲子園)は、前日まで行われていた日本代表戦からの合流ということもあり途中出場。代わりに3番で先発した前川が2試合連発となる本塁打を記録していた。この日、佐藤輝は定位置に座るといきなり2打点の活躍。〝ここは俺の場所だ〟と結果で語った。
虎の主砲が、打線の潤滑油を担う。オープン戦で記録した6安打。その全てが直接得点に結びついている。「やること自体はどこの打順でも変わらない」と口にするが、3番・佐藤輝、4番・森下、5番・大山の新クリーンアップは活気に満ちている。
構想する新打順が結果を残すなか、藤川監督は「打ちにいきながらボールを見極めるのが重要。打ちにいっている姿がある」と佐藤輝の打撃にうなずいた。いくつもの記録を塗り替えてきた虎のスラッガーが、さらなる覚醒の時を迎えようとしている。(萩原翔)