セ・リーグ4位のDeNAは16日、広島24回戦(マツダ)に11-2で大勝し、3位広島とのゲーム差を1に縮めた。牧秀悟内野手(26)が一回に先制の左越え21号ソロで打線を活気づけ、先発野手全員安打となる18安打を記録した。15日の試合で受けた死球で右尺骨の骨折を負った山本祐大捕手(26)が離脱した中、ナインが一致団結した。
志半ばで離脱を余儀なくされたチームメートのために、ナインは一丸になった。大勝への道筋をつけたのは牧だ。一回に森下のフォークボールに体勢を崩されながらも先制の21号ソロ。山本の言葉を力に変え、左翼席へたたき込んだ。
「『頑張ってくれ』と。勝ててよかった」
主将の一発で火が付いた打線は、同点に追いつかれた直後の二回に畳みかけた。長打に小技を絡めて6安打を集め、一挙5得点。7-2の八回にもバント安打を含む4連打と攻撃の手を緩めずに2点を加えた。先発野手全員安打の18安打を放ち、大敗した15日の雪辱を果たした。
ナインの心は燃えていた。前夜に死球を受けて負傷交代した山本は、右尺骨の骨折と診断された。応急処置を施されたベンチ裏では「出ます」と志願し、三浦監督が止めたほどだった。痛い、かゆいは二の次。冷静沈着な扇の要が、闘志をむき出しにした瞬間だった。
試合後に宿舎で山本の骨折を知った同い年の牧は、熱い思いに奮い立った。「どんな状況でも最初から最後まで出るというのが祐大の形。祐大が一番きつい」。この日は背番号50が見えるように正捕手のユニホームをベンチの壁にかけ、チームの心を一つにした。
三浦監督は山本を「気持ちの強い男」と評し「祐大も一緒に戦っている」と強調した。チームは3位広島との差を再び1ゲームに縮め、18日から6ゲーム差で追う首位巨人との2連戦(東京ドーム)に臨む。このまま終われるはずがない。三浦監督、そして牧ら選手は口をそろえた。「祐大のために」。(鈴木智紘)
◆二回に2点適時打のDeNA・梶原「一振りで仕留める気持ちで打席に立った」
◆4安打1打点のDeNA・桑原「チームのために集中した結果、いい安打が出てよかった」
◆山本に代わり先発マスクを被り、3安打2打点をマークしたDeNA・伊藤 「祐大が抜けたからチーム力が落ちたと思われるのは一番嫌。勝ちたいとしか考えていなかった」