勝利のハイタッチに加わった阪神の長坂拳弥と西勇輝=甲子園球場(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神2ー0ヤクルト、24回戦、阪神17勝6敗1分、26日、甲子園)現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は阪神・西勇輝投手(32)の復調と長坂拳弥捕手(29)の好リードを高く評価した。
短期決戦に向けて、大きな収穫があった。まずは西勇。この時期にベテランが調子を上げてきたのは心強い。抜群の制球で、打者との駆け引きも完全に上回っていた。常に自分のタイミングで投げるから、連打されることは考えにくい。投げる姿を見て、西武黄金時代に私とともに戦った東尾修を思い出した。投球術が長けている点では西勇とよく似ている。当時、東尾が投手陣の最年長で工藤公康ら若い投手をある時は言葉で、ある時は投げる姿で引っ張っていた記憶がある。短期決戦は投手陣のリーダー的存在が大事だということを、私は捕手として、コーチとして、教えられた。阪神も若い投手が多い。今の西勇なら、東尾的な役割も十分にこなしてくれるだろう。
もう一つの収穫は捕手の長坂。ずっとベンチにいて、坂本のリードを勉強していたのだろう。坂本とよく似た、思い切った配球で西勇をうまくリードしていた。梅野の回復状況は分からないが、短期決戦を1人の捕手に託すのは非常に難しい。シーズンの2倍、3倍疲れるからだ。シーズンが「負けても次の試合がある」というリードが許されるのに対して、「絶対に負けられないリード」が求められる。これは経験した者にしか分からない。長坂がベテラン西勇をうまくリードしたことで、いつでも使える計算が立った。バッテリー部門に関しては、ポストシーズンへの準備は着々と進んでいる印象だ。