4年に一度の統一地方選が行われている。国民に選挙意識を根付かせるため、また経費削減のため全国一斉に実施することから「統一」との呼称になっている。
第1回の1947年は文字通り100%の〝統一〟選だった。第20回の今回は、全体の約27%のみにとどまった。知事や市長などの首長が任期途中で辞職したり、議会が解散されたりして多くの自治体は統一選の時期からずれてしまった。7日に投開票された知事選では、47都道府県のうち9カ所のみだった。
その知事選のうち、最も注目されたのが奈良県知事選。〝保守王国〟の奈良で、日本維新の会(維新)の公認候補が当選した。自民系候補の分裂により維新候補優位と予測されており、結果自体に驚きはない。ただ、大阪以外で維新系知事が誕生したことは、今後の政局へ相当に大きな影響を与えるとみられる。
大阪発のローカル政党が全国に勢力を伸ばしてきた。維新は2021年の衆院選で11人から41人に大躍進。昨年の参院選でも改選7人から12人に増やした。今回は神奈川県や埼玉県議選などでも初めて議席を得た。昨年就任した馬場伸幸代表は会見で「地方議員を現在の400人から600人に増やす」と豪語した。その実現を予感させる飛躍ぶりといえる。
23日には統一地方選の後半戦の投開票がある。上昇気流に乗る維新は、東京都内の特別区などの議会選挙に約70人を擁立予定。現職の22人から大幅に増やす可能性がある。神奈川県でも現職4人のところ、県内の自治体議会選挙に約70人を立てる見込み。地方議会で勢力を拡大すれば、7月にも行われるとの予測が流れる衆院解散・総選挙にも影響が及ぶことは間違いない。
2012年の衆院選で石原慎太郎元東京都知事を擁する太陽の党と電撃合流し、国政に進出して約10年。党の分裂や大阪都構想の否決など紆余(うよ)曲折を経ながら、〝大阪ローカル〟からの脱皮が実を結びつつある。日本の戦後政治史で、近年でも「みんなの党」「希望の党」など期待されながら発足した新党の大半は、消えていった。維新が伸長していくか、他の野党が盛り返すか。有権者は眺めているだけでなく、選挙や政治に参加してほしい。(政治評論家)