セントラル・リーグ連盟特別表彰・新人特別賞を受賞した阪神・佐藤輝明(右は斉藤惇コミッショナー)=15日、都内(代表撮影)「じゃあ、50発」
2600万円増の年俸4200万円で契約を更改した14日には「30本塁打以上」を目標に設定した。それを一夜明けて、上方修正。「野手として牧選手がすごい。やっぱり(打率)3割というのは自分にとっては遠いところ」とリーグ3位の打率・314を残した牧に脱帽する一方で、自分の刃の研ぎ方は分かっている。「本塁打を打つ技術もそうですが、四球をとれるところでとる」ことが課題。今季455打席で25個しかない四球を増やすことで、相手に甘い球を投げさせる。その先に虎では1985年のバース以来の50発がある。
矢野監督は「より高いところ。それぞれホームラン王とかいろいろあると思う」と佐藤輝の背中を押す。世代交代というのが長年の課題だったが、今季は佐藤輝が主軸を務め、中野が盗塁王を獲得。伊藤将は開幕からローテを守り10勝を挙げるなど、最後まで優勝争いを繰り広げる原動力となった。いくら実績を作っても年が明ければ白紙になるのが、この世界だ。弱肉強食しかないからこそ、佐藤輝は仲間たちの存在を大切にする。
「刺激になるし、負けないぞという気持ちになる。来年は何かタイトルを取って、また、戻ってこられるように頑張りたいと思います」
今季は勝利数でヤクルトを上回りながらも勝率5厘差で優勝を逃した。
「一年間通して活躍できる技術と体力を身につけられるように頑張ります」
開幕から圧倒的な結果を残す。仮に失速しても追いつけないようなリードをとる。コロナ禍で2年連続の無観客となった表彰式。佐藤輝の低く、自信に満ちた声が響く。年末の祭典に、また呼ばれる。今度は衝撃の50発男として、帰ってくる。(原田遼太郎)