プロ初勝利を喜ぶ山崎颯。苦難を乗り越えた(撮影・尾崎修二) (パ・リーグ、ロッテ2-15オリックス、21回戦、オリックス9勝8敗4分、29日、ZOZOマリン)期待の若手が〝第一歩〟を踏み出し、首位ロッテの優勝マジック点灯をまたも阻止した。オリックス・山崎颯が5回⅔を2失点でプロ初勝利。高卒5年目で、ついに記念球をつかんだ。
「もう、はい。うれしいです、とにかく。でもまだ1勝なので。これからもっと勝てるように頑張ります!」
二回に加藤の2ランで先制を許すも、粘りの投球に野手陣が応えた。同じ敦賀気比高出身の吉田正が0─2の五回に追撃の適時二塁打を放ち、この回一挙6得点で逆転した。
吉田正は六回にも21号ソロ。試合前、母校の先輩から「祝砲を上げたい。本塁打を打ちたい」と言われていた山崎颯は「その瞬間、裏にいて見ていなかった」と苦笑いも、今季最多15得点&21安打の打線の援護をもらい、「野手の皆さんに打って、守ってもらった」と感謝した。
山岡や山本らと同じ2017年にドラフト6位で入団。ステップアップしていた矢先、悲劇は起きた。19年5月8日のウエスタン・ソフトバンク戦(オセアンBS)だった。「カーブを投げたときに『バチッ』という音が聞こえた」─。右肘を負傷。同年8月に右肘内側側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、長いリハビリ生活を送った。
5回⅔を投げて2失点の山崎颯。新たなスター候補の誕生だ「きつかったんですけど、自分がまだキャッチボールができないときに試合を見ていると、同級生の(山本)由伸とか、榊原とか、宮城とかが投げているのを見て、腐ってはいられないなという気持ちはあった」
同年オフに育成契約も、昨年12月に支配下登録復帰。そして今年、後半戦から先発ローテを任されるまでに復活した。
苦労の末、手にした記念球は石川県の実家へ。「自分のなかではスタートラインなんで」。直接対決で2連勝し、ロッテとは1ゲーム差。逆転優勝へ、新たなスター候補が誕生した。(西垣戸理大)
■山崎 颯一郎(やまざき・そういちろう) 1998(平成10)年6月15日生まれ、23歳。石川県出身。小3で山代少年クラブで野球を始める。山代中では加賀ボーイズに所属し、日本代表に選ばれて世界大会優勝。敦賀気比高では2年夏、3年春に甲子園出場。2017年D6位でオリックス入団。18年はU23W杯日本代表に選出。19年に右肘の手術を受け、戦力外通告を受けて育成契約に。20年に支配下に復帰した。通算7試合に登板し、1勝2敗、防御率4・60。190センチ、90キロ。右投げ右打ち。年俸450万円。独身。背番号「63」