日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)が11日、京都大iPS細胞研究所所長で、市民ランナーとしても知られる山中伸弥氏(57)と東京都内で対談。2020年東京五輪代表を決める15日の「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)の展開を予想し合った。
母校の早大を舞台とした京大・山中教授との対談形式のイベントで、瀬古氏の舌は滑らかだった。約400人の参加者を前に、大型モニターを使ってMGCの見どころを力説。東京タワーを折り返して迎える25キロ付近を、最初のポイントに挙げた。
「ここで半数ぐらいは落ちるのではないか」
男子31人、女子12人の出場で、ペースメーカーは付かない。選手が牽制(けんせい)し合えば、序盤は団子状態も予想される。中盤にある名所にかけてペースが上がれば、一気に集団がばらける可能性がある。
32キロからは皇居脇を走り、2キロほど日陰のない道のりが続く。号砲は男子が午前8時50分で女子が20分後。最後の10キロに差し掛かって日が昇ってくれば、選手は苦しくなる。暑熱対策を試され、さらに先頭争いは絞られそうだ。
四谷周辺を走る36-41キロは高低差最大30メートルの上りで、最後の山場となる。「終盤まで4、5人は残ると予想している」と瀬古氏。ここで力を残しているランナーが五輪切符へと近づく。
瀬古氏が男子の1番手に挙げたのは、早大の後輩にあたる大迫傑(28)=ナイキ=だった。米オレゴン州を拠点にプロランナーと活動する日本記録保持者について「力はナンバーワン。アメリカで単独でやっている覚悟がすごい」。その口ぶりは最後まで熱を帯びた。 (鈴木智紘)
★山中教授「わくわくする」
ノーベル生理学・医学賞の受賞者で健脚家でもある山中教授は、多忙の合間を縫って今年4度もフルマラソンを走破したという。「憧れ」という瀬古氏との対談でMGCについて語り「大迫選手か、設楽選手か、予想外の選手が勝つのか。こんなにわくわくするレースはない。(東京五輪では)マラソンニッポンがメダルを取ってほしい」と声を弾ませた。