リーダーI社長のはからいと、この狩猟グループを紹介していただいたKさん親子の「なるべく撃てそうな場所に」との特別な配慮で、鹿や猪が多く通る場所に立たせてもらっている。だからこそ、自分のエリアで外すと申し訳ない気持ちになる。しかも今回は100キロ超(多分)の大物だ。
しばらくして「タツ解除」の連絡。集合場所に戻る前に自分が狙ったあたりを調べてみると、川に向かって数滴の血痕を見つけた。仕留めきれない状態を「半矢」といい、獣にとってはかわいそうな状態だ。ただ、血痕の量から推察すると、かすり傷程度だろう。
「まあ、そんなもんだ。最初は興奮して狙いなんかつけられない。かすっただけでも立派なもんだよ」とベテランHさんに慰められた。50歳オッサン記者、いや新人猟師はため息が漏れた。(不定期掲載)