八回。10個目の三振を奪ったときは、少し心を落ち着けて時間を取った。さらに11個、12個と重ねてこの回を投げ切ると、腹の底から熱いものがこみ上げた。カッとなって、拳も突き挙げた。アドレナリンが出まくっていたから、最初から雨なんて何とも思わない。気がつくと、ベンチでチームメートが祝福してくれていた。
プロ野球新記録-。ちょっと照れるし、思わずクスッときてしまう。セレモニーでは、あまり感情を出さないように必死にこらえた。でも、うまくはいかない。自然とにやけてしまった。
「あの偉大な野茂さんを超えたんだなあ…」。スタンドの大歓声を聞きながら、ふと頭によぎった。まさか、自分が野茂さんの記録を上回るなんて思ってもいなかった。
小学校低学年のとき、野茂さんのフォームを見て衝撃を受けた。テレビの映像にかじりつき、すぐまねをした。時間を見つけて、小学校の廊下でも、誰が一番似ているかを夢中になって競い合った。いまでもトルネード投法はうまいですよ!