ヒルサイズ100メートル、K点90メートルのジャンプ台で行われたこの日の大会では、前日14日にW杯初優勝を飾った伊藤有希(22)が2位。今季5勝を挙げ、通算50勝達成が期待された高梨は4位に終わった。
試合前に高梨と1年ぶりに再会した指揮官は「野球と一緒で全試合勝つというわけにはいかない」と王者として戦う厳しさを肌で感じるとともに、世界のトップを争う2人を見て「女子ジャンプって本当に若い選手が出てきた。チーム内で底上げする選手のレベルが上がらないと、上の選手も上がっていかない」と競争の必要性を再確認。日本ハムの2枚看板、大谷、中田を脅かす若手の台頭に思いをめぐらせた。
細心の注意を払って起用してきた大谷にも厳しく接する。「もちろん、こちらが求めているものの設定を上げていく」と調子が悪いと見れば、序盤での交代も辞さず。中田についても「数字が残らなかったら、まわりが苦しかろうが使いません」と明言。4番どころか、スタメンからの降格など荒療治も選択肢に、勝利を追求する。
「別に俺の代わりなんて掃いて捨てるほどいる。『俺は大丈夫』みたいに思っているのは一番駄目」と栗山監督。最後までジャンプには「すごく怖いんだよ」とおびえていたが、すべては日本一のため。時には非情になり、愛する選手たちと大きく飛躍する。 (桜木理)