もう誰にも何も言わせない。敵も味方も言葉を失うような圧倒的な数字を残してみせる。黒いスーツに身を包んだ藤浪が力強く言い切った。プロ初の減額提示を真正面から受け止めた。
「金額に関しては、文句のつけようのないくらい、(来季は)ボンとあげてもらえるくらい活躍できればな…と思っています」
高野球団本部長らと約45分の交渉の末、1000万円減の年俸1億6000万円でサインした。昨季14勝7敗、防御率2・40の結果を残したが、今季は7勝11敗、同3・25と落ち込んだ。
開幕から3連勝も6月9日から7試合連続で白星から見放された。一回の失点で試合を壊すことも多く、7月8日の広島戦(甲子園)では金本監督から8回161球の懲罰続投を命じられた。一塁のベースカバーを怠り、試合中に福留から叱責されたこともあった。
「いろいろ迷いながら、試して取り組んで、考えながらのシーズンだった」
ライバルだった大谷(日本ハム)は二刀流で大成功し、日本シリーズを制し、パ・リーグのMVPに輝いた。同期は来季年俸2億7000万円と大きな差がついてしまった。虎のエースとして期待される男だけに、あちこちから多くの注文が付けられた。