1メートル73の小柄な体格をフルに使う。フォロースルーの際に体がCの字に反り返る姿は松井秀喜ら長距離砲の系譜を継ぐ。きれいな放物線は最下位にあえいだオリックスの希望の光になった。吉田正だ。1年目の今季、故障に泣いたものの、63試合に出場し、打率・290、10本塁打。原点には意外や意外、野球未経験者の父の存在があった。
「キャッチボールをしたのは覚えていますね。でも、野球をやってほしいとか何もなかったです。元気で人に迷惑をかけない子に育ってくれたらいいと思っていたぐらいで。みんなに『なんで、あんな子ができたんかね』といわれますよ」
父・正宏さんは苦笑いで回想する。吉田正が野球に興味を持ったきっかけは5歳のときに父としたキャッチボール。しかし、正宏さんは中学時代に陸上部に入っていたぐらいで、ほとんどスポーツと無縁だった。だから、野球に関しては本人の意見を尊重。ノータッチを貫いた。