巨人は6日、宮崎秋季キャンプで、前日5日のケンカボールに続き、温故知新トレの第2弾として、地獄の階段ダッシュを敢行した。攻撃陣の底上げのため、春季キャンプの2倍の量を設定。そこには総・高橋由伸化という裏テーマが隠されていた-。右股関節手術からの復活を目指す杉内俊哉投手(36)は秋季キャンプで初めてブルペン入り。見守った指揮官の前で、65球の熱投を披露した。
気温23度。外野席でうずくまるヤングGの額から、大粒の汗がしたたり落ちた。
重信 「やばいっす」
坂口 「足がパンパン。腰が曲がらない…」
野手陣が悲鳴を上げたのは、地獄の階段ダッシュだ。74段を全速力で駆け上がり、降りるときもジョギング。21往復でダッシュだけでも74段×21本で1554段。2月の春季キャンプの2倍の量が設定された。
今季限りで現役引退した広島・黒田、DeNA・三浦らも取り入れ、昔から行われる練習法だが、伊藤トレーニングコーチによると明確な目的があった。
「階段は足を上げないと駆け上がることができない。下半身と腸腰筋(ちょうようきん)を鍛えることができます」
一般には聞き慣れない体幹部の腸腰筋だが、野球やサッカーには重要な筋肉。伊藤コーチは「高橋監督の現役時代は普通の人の2倍近くの腸腰筋があった。だから軸がぶれないスイングができた」と説明。腰痛を訴えた際、MRI検査で映し出された画像にトレーナー陣は驚嘆したという。
野手陣は午前中にみっちりと走り込み、午後からはフリー打撃、ロングティー、素振りとひたすらスイングに没頭した。
キャンプ2日目ながら、厳しい練習で体重80キロだった立岡はすでに4キロ減の76キロ。「きついけど、やるしかない」と自分を奮い立たせた。前日5日には投手陣が早いテンポのボール回しを求められる「ケンカボール」に取り組み、今度は野手陣が腸腰筋を鍛え上げて総・高橋由伸化。18日の打ち上げまで、さまざまなメニューで体をいじめ抜く。 (桜木理)
★茂林寺(もりんじ)キャンプ 1リーグ時代の1936年9月、夏季大会で惨敗した藤本定義監督は群馬・館林市の茂林寺で緊急キャンプを敢行。炎天下に加え、小石混じりのグラウンドで1人200本ずつノックするなど、1週間にわたる猛練習で秋季リーグ優勝につなげた
★伊東キャンプ 5位に終わった79年に長嶋茂雄監督が静岡・伊東で茂林寺以来、43年ぶりとなる秋季キャンプを敢行。のちに主力となる若手を約3週間、ノックや走り込みで徹底的に鍛え上げ、現在も「地獄の伊東キャンプ」として語り継がれている