阪神1軍秋季キャンプ(3日、安芸タイガース球場)この日から阪神の秋季キャンプは第2クールに入った。当然、わがサンスポのトラ番軍団もガラッと顔ぶれが交代することになった。
これまで球団事務所やそれなりに大阪市内某所とかをはいずり回っていたキャップ阿部祐亮と長友孝輔が安芸に入った。
阿部は大阪の自宅を出るときに、一粒種の遥斗君(5歳)に「パパはしばらくキャンプに行ってくるからネ」と言ったら「いいなぁ…」という顔をされた。別に幼稚園に通う息子がよもや「ウツボのタタキ」や「もどり鰹」がおいしい…なんてわかるわけはないから、ちょっとその表情に驚いた。すると息子はユビとユビで三角形をつくって「いいなぁ…」という顔をした。それでわかったのだ。「キャンプとはテントを張って家族でバーベキューなどを楽しむこと」と息子は思っている。イトイさんかナワイさんかは知らないが、ソレがカウントダウンの段階? で、CD(当番デスク)野下俊晴はさすがに電話を握りしめて、受話器がフヤけそうな状態でこめかみがピクピク。逆さにしても鼻血も出ないほどの状態。当然、高知・安芸市のポカポカ陽気の黒潮躍る場所の連中も、デスク野下のピクピクにはビクビクしている。
しかし…5歳の留守宅の息子には、そんな父親の立場はわからない。
「それにしても…このキャンプを実際に見てみると『すごい!』に尽きますネ。朝から室内での打ち込みがハンパじゃないし、ギンギンに緊迫感がみなぎっている。びっくりしました」と阿部はいうのだ。同時に祝日とあって、安芸のスタンドには若い女性が多いことに彼は驚いた。「カープ女子…というのではなく、この現象は明らかに金本阪神に若い選手がグングンとノシてきているから、若い女性が多いのでしょう。それだけベテランや中堅との切磋琢磨(せっさたくま)もあるわけで新しい波はこういうところにも感じられました」という。
その頃、入れ替わりに甲子園近辺に戻った高瀬悟嗣は、祝日なので事務所は閉店…それで戻り鰹みたいにあちこちしたものの…そう簡単にはマグロが食いついてくるわけはない。鳴尾浜の新里公章も「掛布2軍監督の元気な声がやけに響いてました…」という報告。
3年前の2013年のこの11月3日は星野楽天が巨人を破り「日本一」になった。阪神監督を体調不良で岡田彰布に譲り、2004年からオーナー付きシニアディレクターに就任。岡田体制をバックアップしたが、2010年10月、楽天が「監督」を要請。阪神球団に引き留める空気がなく、阪神は「トラを野に放った」と書いた。
いわゆる劇薬としての星野仙一を乗りこなす器量があったか? その分だけ北の大地でトラは思う存分に吼えた。
11年からわずか3年で楽天を「日本一」にした覇気とおとこ気の指揮官は13年11月3日に巨人を破り、この若いチームを球団創立9年目で栄光の一歩を印した。クシャクシャの泣き顔のまま9度宮城の空に舞った星野の熱い血は今、安芸グラウンドの金本知憲に脈打っている。