サンスポ

【虎のソナタ】夢広がる虎のハルカスタワー・トリオ

D8位の藤谷は佐野統括スカウト(左)と畑山統括スカウト補佐(右)から指名あいさつを受ける。1メートル94、スケール大きい!

 「志定まれば、気さかんなり…」とは幕末の激動期に『松下村塾』を創設し、有能な人材を育てた吉田松陰の言葉だ。

 簡単にいえば「腹をくくってかかればなんとかなる!」ということ。だがわがサンスポの場合はCD(当番デスク)はそうはいかない。いくらこれでどやさ?と思いつつ出稿コンテを書いても「サンスポ村塾」ではよってたかって好き勝手な論評をして、CD野下俊晴は内心でいつも会議室で機関銃を乱射している己が姿を夢みる。

 だが、この日は整理部長政道高史がさりげなく米倉涼子主演の人気女医シリーズのTVドラマにひっかけた味付け(見出し)を提案してくれて…そうなるとわが「文句村塾」の塾長は意外やあっさり「ヨッシャ…それでいくか?」となった。どこか熱でもあるんかいな…と野下は思った。

 何、実は文句村塾長は先日の社内検診で「膵臓(すいぞう)の再検査」という赤紙がきて「俺、そんなに冷たいビールばっかり飲んでへんのになんでや?」とわけのわからないことをいって、冷えたビールのせいにしていたけど…イヒヒ。

 かくして本日の1面は、読者のみなさまがごらんになった紙面の味付けになりました。


 この日、阪神はドラフト8位のパナソニック・藤谷洸介投手への指名あいさつ。取材した長友孝輔は「ソフトバンクの武田翔太投手(1メートル86)みたいな感じの若者です。1メートル94という長身が魅力ですが、右肘を痛めて(もう完治している)ジックリと育てている段階。いうならば阪神は来年まで待てばドラ1候補になるので先物買いで指名したんです。僕は意外に飛躍してくれるんじゃないか…と思います。取材対象にほれるな…といわれますが、期待したいなぁ」とすっかりソノ気なのである。なにしろメッセンジャー(1メートル98)、藤浪(1メートル97)に次ぐチーム3番目の身長となるわけで、将来の虎のハルカスタワー・トリオとして、想像するだけでも楽しいではないか。

 6年前(2010年)のこの10月27日、トラに闘魂をたたき込んだ星野仙一SDが、阪神に思いを残しつつ楽天の新監督に就任した。その日の「虎ソナ」にはこうある。


 --阪神はトラを野に放った…と。

 そこからの楽天の躍進ぶり…「東北を熱くするのが俺の使命だ」と星野新監督(現球団副会長)はリンとして宣言し、3年後に巨人との日本シリーズで3勝3敗となってKスタ宮城は最終回にエース田中将大(現ヤンキース)が連投…悲願の日本一となった。東日本大震災に夢をともし、星野の炎はまだ燃え続ける。

 礎(いしずえ)をつくった阪神は今、彼が強引に広島から引っぺがした金本知憲によって「超変革」の2年目に突入する。そして来季の目標となる広島はこの夜、札幌ドームで日本ハムと虚々実々…まさに「志定まれば、気さかんなり」という戦いをみせている。

 わずか30歳で歴史を変革させ獄死した松陰は、こう辞世を詠んだ。

 -身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも とどめおかまし大和魂…

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