いよいよ10日後に公示が迫った参院選。東京選挙区(改選数6)は大混戦が予想され、東京都の舛添要一知事(67)の政治資金問題も影を落とす。無所属で出馬予定の元衆院議員、横粂(よこくめ)勝仁氏(34)は「議員報酬は寄付する」と大胆宣言。かつてフジテレビ系バラエティー「あいのり」に「総理」の愛称で出演した異色弁護士は、舛添知事の逆をゆく無欲が旗印だ。
「今回はラストチャンス。負けたら(政治活動から)引退です」
衆院議員を1期務め、衆院小選挙区で小泉進次郎氏(35)や菅直人氏(69)を相手に闘ってきた横粂氏。にこやかに話していた表情が一転、厳しくなった。
「全てを賭ける」という今回の参院選で、最もアピールするのは「無報酬」だ。消費税増税の一方で国会議員が身を切る改革をしないのはおかしいと考え、議員報酬の手取り分を全額、熊本地震で被災した自治体などに寄付する。総額は年間1200万円前後になり、政治活動は月100万円支給される「文書通信交通滞在費」で賄う。
対照的なのが舛添知事。給与減額の意向を表明したが、10日の会見で減額幅も明らかにしなかった。横粂氏は「少しでも報酬がほしいのは人間の性かもしれませんが、こんな風になってはダメ」と切り捨てた。
2012年の衆院選落選後、弁護士として仕事をする中で「参院議員として活動するために数百万円貯金してきた」。妻(37)に「無報酬」の方針を伝えた際は驚いていたが、背水の陣で臨む覚悟を話すと「そこまで言うのなら」と理解してくれたという。
選挙運動も節約型。選挙カーや選挙事務所はない。街頭ではほとんど1人で練り歩き、予定も細かく決めないゲリラ戦術をとる。東京選挙区は有力立候補予定者が多いが、それでも「勝算あり」と強気だ。
進次郎氏や菅氏の名を挙げて「これ以上強い人はなかなかいない。この経験を糧に、広く浅くという戦いをすればいけると考えています」。「総理」と呼ばれていた横粂氏は、ラストチャンスをものにして総理への足がかりをつかむ?(梶川浩伸)