まるで満塁アーチを目撃したかのよう。福良監督がT-岡田の初安打に目を細めた。
「きょうは良かったな。前回とは違ってました。ヤル気というか、気持ちが出ていた」
報道陣の質問に対してのコメントではない。「聞かれる前に言っておこう」と自ら切り出した。二回、白組の先発、2年目の左腕・斎藤綱の初球ストレートをきれいに右前に弾き返した。その後の2打席は空振り三振、四球だったが、指揮官は大絶賛だ。
「初球から狙っていったのも、気持ちの入っている表れ。きょうぐらいの気持ちで向かっていってくれたら。声もよく出ていた」
3日前は酷評だった。9日、今年最初の紅白戦は2打数無安打。覇気が感じられず指揮官は「このメンバーだったらもっと目立たないと」と失望感をあらわにした。1軍昇格見送りも即決。では、今度は…。
「この前が悪くて、今回が良くて。まだ信用しきれないな。あと2試合見てからになる」
13日に行われる予定の紅白戦は天気予報が悪く、中止となる可能性が高い。となると、14日の広島との練習試合で一発勝負。生き残りをかけて必死に向かってくるであろう鯉の若手投手に、格の違いを見せられるか。