力強いボールを持ち味とするドラ3右腕が、阪神の強力救援陣の中で1軍定着を目指している。今季1軍でも11試合に登板する木下里都(KMGホールディングス)投手が、現状の手応えを語った。
「最初よりも、徐々に自分のピッチングができてきたんじゃないかなと思います。とりあえず自分のできる投球をしないと、と思っているんですけど、それが少しずつできるようになった」
8月8日に抹消され、現在ファームで再び力をつけている。プロ初登板となった5月29日のDeNA戦(甲子園)では1失点のホロ苦デビューとなったが、6月17日に再昇格されてからは6試合無失点も記録。鋭いツーシームで三振を奪うなど、主に勝ちパターンの投手を使いづらい展開できっちりと仕事を果たしてきた。
いつ出番が来るのか分からないのが、リリーフの難しいところ。それでも木下は、自分なりのバロメーターがあるという。
「投球前に指を動かすようにしています。やっぱり直接ボールを握るところなので、一番大事。硬さやつまりを感じることもあるが、いつもしているメニューをやったら動くようになる」
社会人時代から取り入れ始めたのが、指のエクササイズ。「企業秘密です(笑)」という器具を使い、登板前後に指をほぐす。「全身いろいろなところをほぐしても、結局最後にボールを伝えるところが動かせないと駄目だと思う」。利き手の右手を入念に伸ばしたあと、最後に左手と比較。動きがよくなったことを実感し、自信をもってマウンドに上がっている。この細かいこだわりが、ルーキーの好投につながっている。
「マウンドに行くまでの流れも、まだ完全に確立しているわけではないので、徐々に固めていけたらと思います」
新人年で強力投手陣に食い込んでV奪還の1ピースとなるべく、指にこだわって、ゼロを重ねていく。(中屋友那)
■木下里都(きのした・りと) 2001(平成13)年1月27日生まれ、24歳。福岡県出身。小田部小1年から原北ウイングス少年野球クラブで野球を始める。原北中では白龍ベースボールクラブに所属。福岡舞鶴高では主に遊撃手で甲子園出場なし。福岡大1年夏から投手へ転向し、卒業後はKMGホールディングスでプレー。最速156キロ。25年D3位で阪神入団。今季は1軍で11試合に登板し、防御率3・29。年俸1000万円。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。背番号「54」