中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めた田尾安志氏(71)=サンケイスポーツ専属評論家=は、優勝へのポイントになる選手に高寺望夢内野手(22)を挙げた。高卒5年目の若虎で8日からのヤクルト3連戦(京セラ)で打率・778(9打数7安打)をマーク。チーム内の競争をさらに活性化する存在として期待した。
阪神がリーグ優勝する確率はかなり高いが、このまま一気にVを決めるためのポイントになりそうな選手が高寺だ。ヤクルトとの3連戦で7安打と、いいものを見せてくれた。際どいコースのボールをファウルにし、ストライクとボールの見極めもできており、成長を感じる。
投打ともにチーム内の競争が、今年の阪神の強みになっている。左翼が固定できない状態が続いてきたが、高寺がこのままレギュラーを取るかもしれない。そして、高寺が高いレベルのプレーを見せることが、チーム内の競争をさらに高めることにつながる。内外野ともに守れるので、左翼を争う前川、熊谷、中川らにとってはもちろん、遊撃の小幡や木浪への刺激にもなる。
打率3割を打てる選手だと思うが、まだ体力的に不安があるので、試合に出続けると疲れてしまう。首脳陣がうまく休養を取らせながら、起用していってもらいたい。
順調に戦ってきた阪神だが、疲れは当然出ている。特に、森下は7月15日を最後に本塁打が出ておらず、決して状態は良くない。スイング自体は悪くないのだが、やはり疲れが原因だと思う。
選手がスランプに陥る一番の要因は肉体疲労だ。プロの選手は感覚の世界で生きている。感じが出ないときのほとんどが肉体疲労だし、調子を戻すには体をリフレッシュさせることが一番。そういう意味では、この日の中止はプラスだし、野手陣のほとんどが練習しなかったことは、非常にいい選択だったと思う。(サンケイスポーツ専属評論家)