サヨナラ勝利を呼ぶ打球を放った内山(右)を、笑顔で迎える高津監督(撮影・長尾みなみ) (セ・リーグ、ヤクルト4x-3阪神、8回戦、4勝4敗、27日、神宮)諦めない姿勢を貫くチームの思いが白球に乗り移った。3-3の九回2死二塁。ヤクルト・内山壮真捕手(22)が放った鋭い打球は、阪神の三塁手・高寺のグラブをはじいた。相手の失策を誘ってサヨナラ劇を演出。リーグ戦再開の一戦で白星を飾り、仲間から手荒い祝福を受けた。
「すごくいい形でつないでくれた。自分のバットで勝ち切れることができてよかった」
チームの執念が結実した。首位に立つ阪神の先発は神宮で過去3戦全勝の村上。六回までは苦手の相手にスコアボードに0を並べられていたが、劣勢な状況にもひるまなかった。0-3の七回に並木の2号ソロ、オスナの4号2ランと一発攻勢で同点とし、九回は若きスラッガーが試合を決めた。
リーグ最下位のチームは交流戦も5勝12敗1分けの最下位に終わった。リーグ戦再開の一戦を、高津監督は「これまででも非常に大事な試合」と捉え、前日26日にナインに思いを伝えていた。
「寝て起きたら、明日が一番大事な試合。いいスタートを切ろう」
村上や長岡、サンタナら主力野手を欠く中、31試合でスタメン起用してきた内山が指揮官の思いに応えた形だ。期待を懸ける若武者たちの活躍で白星発進を決め、高津監督は「いいスタートが切れた。今いるメンバーがベストメンバー。選手がのびのびプレーできる環境を整えてあげたい」と力を込めた。
試合でうまくいかないと「自分を罵倒し続けます」と話すほど責任感を持ってグラウンドに立つ5年目の22歳は、「自分がチームの先頭に立って引っ張れるようにもっと頑張る」と頼もしく語った。チーム一丸でつかんだ勝利を浮上のきっかけとする。(武田千怜)