契約公開後の会見で質問に答える大山。自覚がにじむ、引き締まった表情だ(撮影・河田一成) 阪神・大山悠輔内野手(27)が6日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、3000万円アップの年俸1億3000万円でサインした。サッカーW杯カタール大会は1次リーグから日本戦全試合を観戦したといい「野球がやりたくなる」と体がうずいたことも明かした。18年ぶりの悲願を狙う2023年は、大山が中軸として〝アレ〟へと引っ張り、虎党を熱狂の渦に包むつもりだ。(金額は推定)
日の丸の誇りを持って戦い抜いたイレブンに、心が震えた。バットとボールを手に、グラウンドへ飛び出したくなった。来季に向けた契約交渉の場。大山はカタールからサムライブルーの魂を受け取り、燃えていた。
「サッカーもラグビーも、個人的に箱根駅伝も好きで毎年見ているんですけど。見終わった後に、野球がやりたくなる。僕は野球やりたいって気持ちになります」
競技は違っても、伝わってくる熱は違わない。劇的な展開ばかりだったサッカーW杯の日本戦は「全試合見て感動しました」という。「諦めない気持ちがすごく大事だなと感じた。僕たち野球でも同じ。見習いながらやりたいと思います」と画面越しに刺激を受けた。何より響いてきたのが、ワンプレーごとに感情を爆発させるサポーターの姿。力をくれる人々の表情を、声援をもらう立場ではなく一歩引いた視点から見つめ、虎党のことを思った。早く甲子園のグラウンドに立って〝アレ〟によって人々を狂喜乱舞させたいと、大山の体もうずいた。
「最初の勝てない時期から始まって、コロナもあり、しんどい、大変なシーズンでした。(成績は)全部物足りない」
契約更改後の会見では苦しかったシーズンを率直に振り返った。それでも、今季は124試合の出場で打率・267、チームトップの本塁打、打点をマーク。特に6月は月間打率・318、23本塁打、87打点と大暴れし、3000万円アップの評価を受けた。
岡田監督は既に、来季一塁&クリーンアップ固定での起用を示唆している。それを伝え聞き、大山に湧き上がる感情は安心ではない。危機感だ。「その分、結果を出せ、という重圧をかけていると思う。本当に気が引き締まる、もっと覚悟を持ってやらないといけないなという気持ちです」と並々ならぬ覚悟で挑む。
「きょうのサッカー(クロアチア戦)もですけど、試合を見ていて感動するというのがスポーツの良さ。来年はもっと喜んでもらえるように、しっかり頑張りたい」
〝隣の芝生〟を駆け回った青きイレブンを見て奮い立った。虎が18年ぶりの〝アレ〟をつかめるか否かは、大山の手の中にある。(原田遼太郎)