中日・堂上直倫に走者一掃の適時二塁打を浴びた阪神・藤浪晋太郎(2021年6月23日撮影)
中日・高橋周平に2点適時二塁打を打たれた阪神・及川雅貴(2021年8月31日撮影) ギャラリーページで見る阪神はどのようにして6月まで最大7ゲーム差をつけていたヤクルトに16年ぶりの優勝をさらわれたのか。数字やデータで全4回にわたって検証する緊急短期連載「V逸虎 こんなん出(デ)ータ」。第2回はビハインドで登板した救援投手が失点を重ね、終盤の接戦や引き分けに持ち込めなかった誤算を振り返る。
阪神の逆転勝ち、引き分けの数が少なくなっていったのは、不振を極めた野手陣だけが原因ではなかった。今季のチーム防御率は中日に次ぐリーグ2位の3・30。ヤクルトの3・48をしのいだ。先発投手の防御率ではリーグ1位の3・04で、ヤクルトの3・63を圧倒した。大きなダメージとなっていったのは、救援防御率3・83だった。
ヤクルトは3・25。両軍ともに強固な勝ちパターンを誇ったはずだったが、ここまで数字が開いたのは、同点やビハインドで登板した救援投手の違いだった。
同点のマウンドに送り出された救援投手の防御率はヤクルトの3・87に対し、阪神は5・02と目を覆うような数字になった。先発が六、七回に同点で降板すると、今季は馬場、斎藤、及川、藤浪らがその後を受けることが多かった。だが、6月23日の中日戦(バンテリンドーム)では2-2の七回に藤浪が0回⅔を2安打3四球で4失点。8月31日の中日戦(甲子園)では及川が5-5の七回に1回を5安打3失点と乱れた。踏ん張れば自身に白星がつく局面。だからこそ指揮官も期待の男らにマウンドを託したが、同点で出ていった阪神の救援投手は9勝10敗15ホールドと負け越した。
ビハインド時に登板した投手の防御率を見てもヤクルトは3・64で、阪神は4・52。僅差の3点差以内のビハインドでは4・73とさらに悪化した。2005年優勝に同じような場面で奮投したSHE(桟原、橋本、江草)のように〝下支え〟をしてほしい面々が、最後まで安定しなかった。
ヤクルトの18試合の引き分けは、追いつかれた引き分けが12試合を占めており、逃げ切る力なら圧倒的に阪神が上だった。だが逆に、中盤まで同点かビハインドならヤクルトの勝率が高い。
ヤクルトは「勝ちを引き分けにしてしまう」試合も多かったが、阪神は「負けを負けのままにしてしまう」試合がかさみ、最終的に勝率5厘差でのV逸につなげた。