ビッグボス〟新庄は手を挙げながら会見場から姿を消す。さあ、新庄劇場第2章の開幕だ 「ビッグボス!」
そう呼ばなければいけないらしい。
「僕が帰ってきたからコロナはなくなります」
何の根拠があるのだろうか。
「優勝なんか一切目指しませんから」
好きにしてくれ。
日本ハム・新庄監督の記者会見、テレビ画面を通して見せてもらった。
そもそも、新監督就任の会見がナマで、全国中継されるって、とんでもないことだ。1992年秋、長嶋さんが巨人の監督に復帰した時ぐらいしか思い出せない(他にあったらごめんなさい)。この令和の時代になっても、新庄という風変わりなスターの存在意義を、世間が認めている証拠といえるのでは。
「世の中の出来事をすべて吹き飛ばすパワーがある会見でしたね。1面から3面まで新庄監督です」
当番デスク・野下俊晴が半分あきれ、半分笑いながら、爆笑会見の印象を伝えてきた。
新庄の思い出は? 野下Dに尋ねると、やっぱりあのシーンだった。
「敬遠球サヨナラ打は衝撃的でした。僕は巨人ファンなので、あの瞬間は『何するんや!』と叫んで頭の中が真っ白になりました」
その気持ちはよく分かる。1999年6月12日の巨人戦(甲子園)。ナイターで延長十二回。締め切りが迫る。引き分けを想定して予定稿の記事をほぼ書き終えていた若き日の私も「何するんや!」と叫んでペンを投げつけたもんだ。
あの〝歴史的事件〟の2日前に、敬遠球を打つ練習を必死でしていた話は何度も書いてきた。大マジの本人は、当時打撃コーチ・柏原純一に「今度敬遠されたら打たせてください!」と直訴。新庄が最も尊敬する恩師・柏原も慌てたそうだ。
「もし、そんなシーンになったら、必ず事前に言ってくれ。俺が監督に了解を得るから」
そう答えるしかなかったと振り返ってくれた。まさか2日後にそんなシーンが来るなんて思ってもいない。
あの打席直前。柏原コーチから新庄の思いを伝え聞いた監督・野村克也は思わず笑ったそうだ。そして、ひと言-。
「フッ、あの目立ちたがり屋が…」
即OKするところが、太っ腹の名監督だ。ノムさんが生きていて、この会見を見たら、きっとあの時と同じ言葉を漏らしただろう。「目立ちたがり屋」以外のナニモノでもないのだから。
トラ番・織原祥平は日本ハム時代の新庄をよ~く覚えている。
「天井から宙づりで降りてきましたよね。プロ野球って、こんな楽しい人ばかりなんだと思ったもんです」
いやいや、新庄みたいな人はあまりいない。取材して面白かったことは間違いないけれど。
そういえば「プロ野球界も変える」と言っていた。ぜひ、お願いする。特に最近の選手のコメントのつまらなさと言ったら…。「打てて良かったです」「抑えられて良かったです」ばかり。もっとファンを楽しませてもらいたいなぁ。見習おう、新庄流のコメントを! 「新庄劇場」が明るく楽しいプロ野球界を取り戻してくれれば-。
おっと、忘れてはいけない。阪神は近本が2安打、スライディングキャッチも披露で元気一杯!
「CSへ向け、不安はなくなりましたよ」
新里公章サブキャップの自信満々の声で本日は締めくくっておきます。CSトラ劇場、あす開演!