今年も日本シリーズが開幕した。ソフトバンクとDeNAによる顔合わせ。ともにクライマックスシリーズの各ステージをストレートで勝ち上がったチーム。ソフトバンクが日本ハムとのファイナルステージを突破する上で、庄子雄大内野手(24)の存在は大きかった。
14日の第1戦に「9番・遊撃」でスタメン出場。プロ2年目でポストシーズン初先発を果たすと、計3試合で打率・455(11打数5安打)、2打点、1盗塁。2本の殊勲打に堅実な遊撃守備と攻守に躍動した。
「パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ」のMVPに選ばれ、「できすぎかなと自分でも思っています」と苦笑いするも「CSが始まるまでの練習期間でしっかりと自分のやるべきことを準備してきたことが要因かな」と喜んだ。小久保監督も「このシリーズのラッキーボーイ的な存在」と目を細め、日本シリーズ第1戦でも先制打に決勝打と躍動した。
レギュラーシーズンでは104試合で打率・244、1本塁打、26打点、22盗塁。プロ1年目の26試合から大きく出場機会を増やし、遊撃手のレギュラー候補としてアピールを続けている。昨年は野村勇が遊撃のポジションでチーム最多の72試合に先発出場。その次が長年、日本球界を代表する遊撃手として君臨していた今宮(43試合に先発)だ。今季もシーズン当初は今宮や野村が遊撃を守ることが多かったが、5月中旬頃から庄子が遊撃で先発起用される機会が一気に増えた。
そのアピールの場で守備、走塁の部分から自らの持ち味を発揮。打席数を重ねるにつれ、日々の努力もあって打力も向上。しかし、庄子は「まずは守れないと、このチームでは試合に出られない」という。ソフトバンクにおいて、守れることは当然のこと。そこから、打力を加味した競争が始まる。それを理解しているから、庄子は「今シーズン初めてのスタメンの機会でしっかりと結果を残すことができた。それを継続してなんとかくらいついていけたことが今シーズン、出場機会に恵まれた要因かなと思います。本当に最低限、しっかりと守備と走塁をやって、打撃ではいいところで一本」と力を込める。
レギュラークラスの選手が負傷離脱した際や不調の際、チャンスをもらった選手が一気に台頭することがチームの世代交代につながる。ポジションを奪われた主力も今一度奮起し、チーム力向上に直結する。しかし、これは簡単なことではない。数多く出場機会を与えられながらも、結果で応えられない選手も多く見てきた。庄子にとっても、また来季が勝負の年。不動のレギュラーと呼ばれるまで、アピールし続けることが求められる。常勝軍団のハイレベルな競争が、よりチームを強くしていく。(西垣戸理大)