今年の沢村賞を発表する選考委員長の堀内恒夫氏=東京ドームホテル(撮影・今野顕) シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が26日、東京都内で行われ、阪神・高橋遥人投手(30)が初選出された。同投手はプロ9年目の今季、16勝3敗、防御率1.87で最多勝利と最高勝率の2冠を獲得。阪神のリーグ連覇に大きく貢献した。7項目ある沢村賞の選考基準のうち、16勝、150奪三振、防御率1.87、勝率・842で4項目をクリアした。
【選考過程】
昨年まで選考委員を務めていた工藤公康氏が中日監督に就任したことで選考委員規定から外れ、堀内、平松、山田、斎藤の4氏で選考された。
記念すべき第80回を迎えた「沢村賞」の最終候補として選考基準7項目中4項目をクリアした阪神・村上、高橋、ヤクルト・山野の3投手に絞られ、12球団トップの5完投、4完封の阪神・高橋が全会一致で選出された。堀内氏は「13個の貯金ができる投手はなかなかいない」、山田氏は「最終的に勝ち星と勝率を重視した」と説明した。
投手の分業制が顕著化する中、今年から選考基準の中で完投試合数が10→8、投球回が200→180に緩和された。それでも、完投数をクリアした投手はなく、投球回も阪神・村上が唯一の180回⅓。「時代に即してないのではないか?」という意見が根強くある中、堀内委員長は「これ以上、落とせないというところまで来ている。今はこのままでやらせてもらいたい」とさらなる基準緩和には否定的な見解を示した。
一方で、来季からセ・リーグでも指名打者(DH)制が採用されることを受け、「代打を出さなくてもいいということで、必ずイニング数が増えて、完投できる投手も増えるのではないか」とし、山田氏も「投手が楽になるのは間違いない。セでもパワーピッチャーが出てくる可能性はある」と期待を寄せた。(東山貴実)
【沢村賞の選考基準】
①15勝以上の勝利数
②150以上の奪三振
③8以上の完投試合数
④2.50以下の防御率
⑤180イニング以上の投球回数
⑥25以上の登板数
⑦6割以上の勝率
※日本版クオリティー・スタートの達成率を含む他の成績も考慮して選考する