オリックスから阪神へのFA移籍を決め、会見を行った山沖之彦氏と中村勝広監督(1994年12月3日撮影) ■10月25日 今季もNPBからフリーエージェント(FA)有資格者が発表された。計105人の公示で国内FA新取得者は22人、海外FAは17人だった。平たく言えば自分で球団を選べる-がFA。移籍先から1年で構想外もFA。旧球団にいた方がよかったのでは、と思うのもFAだ。
昨年オフ、海外FA権行使でDeNAから楽天を選んだ伊藤光が、1年で契約更新をしない旨を告げられた。オリックス時代の2014年ベストナイン&ゴールデングラブ賞獲得捕手は今季、22試合出場で打率・133、1本塁打、2打点。37歳選手に限界を知らせるのもFAか。
「国内FA移籍→1年解雇」は暗黒時代真っただ中の1995年の阪神でも起こった。前年オフ、オリックスからFAで移籍した山沖之彦氏が戦力外となった。87年最多勝で、89年から2年連続2桁勝利右腕はしかし、タテジマでは1軍未登板。1月の阪神・淡路大震災の影響でキャッチボールができずにキャンプイン。長年の疲労から、右肩が悲鳴をあげた。
112勝投手を獲得し、就任6年目を迎えた中村勝広監督(故人)は途中休養。藤田平2軍監督が昇格した。〝鬼平〟との確執で、オフに新庄剛志(現日本ハム監督)が「野球のセンスがない」と発言し、退団騒動に発展した。31年後、その球団が初のセ・リーグ連覇を達成するとは、誰も想像できなかった。
今季のFA市場は森下暢仁、床田寛樹、坂倉将吾の広島勢、オリックス・中川圭太や西武・高橋光成らに注目が集まる。戦力構図を大きく変えるFA。夢ばかりではなく、一寸先は闇ともいえるFA。日本シリーズ終了後、選手の地力と球団の眼力が問われるFA争奪戦が幕を開ける。(稲見誠)