巨人・松井秀喜監督が誕生した。阪神ファンのための「虎のソナタ」だが、この超ビッグニュースは避けて通れない。
思い出したのは2002年11月1日。今、「虎のソナタ」を書いているこの私が野球デスク席にふんぞり返っていた。そこに飛び込んできた「松井、FA権を行使してメジャー挑戦発表」の知らせ。あの日もテレビ各局が会見を生中継した。
「1面は松井ですか? 阪神を2、3面で扱って、残りの松井の話を4面ぐらいで…」
紙面総括に提案したら叱られた。
「アホか。松井は日本野球界のスターや。松井の話は阪神ファンも読む。1面から5面まで松井で埋めろ。すぐコンテを考えて持ってこい」
尊敬する敏腕総括の指令を受け、「松井ってやっぱりすごい存在なんやな」と改めて思ったものだ。
暗黒時代のトラ番記者からすれば、松井にはボッコボコに打たれた記憶しかない。
当番デスク席にいた長友孝輔は1986年に愛知県で生まれた。
「ナゴヤ(現バンテリン)ドームの右中間席でセンター・松井、ライト・高橋由伸の後ろ姿を見て、カッコいいなと感じました。子供の頃に『10.8』の国民的決戦でバントをした松井さんも覚えています。松井監督、すごく盛り上がりそうですね」
トラ番最年少・秋葉元は2002年、つまり松井選手の日本ラストイヤー生まれ。巨人・松井を全く知らない。
「メジャーリーガーの松井さんの記憶しかありません」
その秋葉はドラフト1位・榊原七斗外野手の取材のため東京・府中市の明大に赴いていた。
前夜(22日)は青学大にいたが、阪神からの指名はなく、急きょ日体大に移動して、ドラフト2位・馬場拓海投手を取材。幸運にも、青学大の最寄駅から日体大の最寄り駅は電車一本だったそうだ。
「そこはラッキーでしたが、電車内は帰宅ラッシュでギュウギュウ詰めでした」
ドラフト当日の仕事が終わると、命じられたのが「あしたからドラ1担当」だった。
「ここから来年にかけて、榊原クンに密着しろと…。ということで、僕の来年のトラ番続投も決まってしまったんです。まあ、覚悟はできていましたが」
この先、東京六大学の明大の試合、仮契約、甲子園の施設見学、入団発表、自主トレ、そしてキャンプイン…。おそらく、今オフ、虎党が一番楽しみな「榊原情報」は秋葉が執筆します。どうぞお楽しみに!
「会見中はすごく緊張していましたが、囲み取材になると、打ち解けて。話しやすくて、爽やかなナイスガイでした。身長が173センチなので、思ったよりも小柄、というのが第一印象。でも、下半身がすごくたくましくて。ドラ1の秘密はそのあたりなんでしょう」
榊原&秋葉の意外な〝接点〟もしっかり確認できたそうだ。
「僕の高校時代の同級生が明大に進学して、野球部に入ったんです。『もちろん知ってますよ。お世話になりました』と言ってくれて。これから取材するのが楽しみになってきました」
2027年の主役は松井監督…ではなく、榊原七斗になってもらいましょう。