後半追加タイムの2得点で逆転勝ちし、喜ぶ鹿島の鈴木(左)。J1王者の底力を見せつけ、横浜Mの知念は悔しそうに見つめた(撮影・蔵賢斗) シーズンを欧州主要リーグと合わせて「秋春制」に移行した「明治安田J1リーグ」は、2026―27年の新シーズンが開幕した。昨季の王者・鹿島は横浜Mに4―3で逆転勝利。エースのFW鈴木優磨(30)が2点をお膳立てし、終盤で2点差をひっくり返した。G大阪は浦和を2度逆転して4―3で勝利。7月に就任したばかりの明神智和新監督(48)が初陣を飾った。開幕時期を従来の2月から8月に移した変革のシーズンの最終節は、来年6月6日に行われる。
公式入場者数を示すスクリーン=MUFGスタジアム(撮影・蔵賢斗)J1史上最多6万3960人であふれかえったスタジアムで、鹿島の〝金狼〟FW鈴木が気を吐いた。逆転につながる2得点を導き、チームに開幕戦勝利をもたらした。
「勝ち切るという意味ではよかった。交代選手が試合を決めてくれた」
劣勢からチームに勢いをもたらす獅子奮迅の活躍。勝利の重責を果たしたエースは安堵(あんど)した。
世界の主要リーグと同じ「秋春制」へと移行する歴史的なシーズンの開幕戦。前半7分に横浜Mの16歳、FW三井寺にゴールを奪われる予期せぬ出だしとなった。
同11分にFWレオセアラが同点としたが、その後に2失点。敗色濃厚となったものの、後半36分に鈴木が流れを変えた。右クロスにヘディングで合わせると、ボールは左ポストを直撃。こぼれ球をレオセアラが押し込んで1点差に迫る。後半追加タイムには鈴木が相手のハンドを誘発するシュートでPKを奪取。途中出場のFWチャブリッチが冷静に沈めて追いつくと、その3分後にチャブリッチが逆転弾。連覇を目指す王者が底力を見せつけ、勝利をもぎ取った。
MUFGスタジアムでは横浜M-鹿島の開始前に花火が派手に打ち上がり、新たなシーズンの幕開けを祝った(ⓒJリーグ)注目の開幕戦は前売り券が完売となり、Jリーグ発足時の「オリジナル10」のうち、J1で戦い続けている名門対決に熱い視線が注がれた。フジテレビ系で全国生中継(一部地域除く)され、2002年8月31日にTBS系で放送された仙台―鹿島以来、実に24年ぶりにリーグ戦がゴールデンタイムに地上波で全国生中継された。
劇的な勝利を飾った鈴木は「まだ修正点は多いが、みんなが見ている中で鹿島の底力があるところを示せた」。長いシーズンの火蓋を切る一戦を力強く振り返った。(一色伸裕)