霧島は伯乃富士に敗れ3敗目を喫した=両国国技館(撮影・尾崎修二) 大相撲夏場所14日目(23日、両国国技館)単独首位だった大関霧島(30)が平幕伯乃富士(22)に寄り倒されて3敗に後退。小結若隆景(31)が琴栄峰(22)との3敗対決を押し出しで制し、首位に並んだ。霧島は2場所連続4度目、若隆景は25場所ぶり2度目の制覇が懸かる千秋楽で、2人とも勝てば優勝決定戦に。両者が負けた場合は、4敗を守った力士を加えた最大6人の決定戦にもつれ込む。4敗は義ノ富士(24)、伯乃富士、宇良(33)、琴栄峰、藤凌駕(23)の平幕5人。
番付の根幹が大きく揺れる。千秋楽の土俵がにわかに騒がしくなる。
若隆景(奥)は琴栄峰との3敗対決を制した(撮影・尾崎修二)結びの一番。2敗で単独首位だった大関霧島が敗れた。千秋楽では4敗を含め、出場力士最高位の霧島から幕内最下位「幕尻」の藤凌駕まで7人に優勝の可能性が広がった。
霧島は伯桜鵬を左四つに組み止め、右前まわしを引きつけ頭をつける体勢をつくった。ところが、まわしが伸び、逆襲に後退して寄り倒された。ショックの大きさが態度で分かる。付け人を通じて今場所初めて取材を拒んだ。千秋楽で7人以上に優勝の可能性が残るのは、平成27年夏場所の8人(白鵬、照ノ富士、日馬富士、稀勢の里、高安、勢、魁聖、嘉風)以来の大混戦だ。
琴栄峰との3敗対決を押し出しで制した若隆景は支度部屋のテレビで霧島の黒星を見届けた。「下から速い相撲が取れた。あと1番ある。自分に集中して一生懸命相撲を取る」。霧島とともに優勝経験者。2横綱、2大関が休場する中、役力士として意地もある。
取組編成を担う審判部はこの日の取組終了後に会議を開き、千秋楽結びの一番で霧島の対戦相手を4敗の東前頭11枚目宇良とした。番付上では東関脇熱海富士との対戦となるところだが、「取組編成要領」にある「下位の力士をその成績により横綱、大関と取り組ませることができるものとする」を適用。優勝争いを優先させた「割(わり、取組)崩し」となった。
幕内後半戦を土俵下で見守った九重審判長(元大関千代大海)は「息を吹き返す者、肩を落とす者もいる。1差で追う力士も(優勝が)ないことはない。どうなるか」。結末は神のみぞ知る。(奥村展也)