井上尚弥に判定で敗れ、引き揚げる中谷潤人=東京ドーム プロボクシング元WBA世界ミドル級王者の竹原慎二氏(54)が2日、ユーチューブチャンネル「竹原テレビ」を更新。東京ドームで行われた世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで統一王者の井上尚弥(33)=大橋=が元世界バンタム級2団体統一王者の中谷潤人(28)=M・T=に3-0で判定勝ちし、世界戦28連勝としたことについてつづった。
高度な技術戦を井上が制した。序盤は無数のフェイントで重圧をかけながら一瞬の隙を探る展開。中盤以降は積極的に仕掛け、11回に連打を浴びせた。決定打こそなかったものの主導権を握り、素早い身のこなしによる堅守も光った。中谷は左の強打で互角に渡り合う場面もあったが、10回にアクシデントで負傷。直前までの勢いを失った。
竹原氏は「予想外の判定。中谷君の懐の深さと来てもスウェーとかでかわして距離感がよかったですね。井上チャンピオンが入って行けなかったですもんね。6回まで中谷君、手を出さなかったんでちょっともったいなかったと思うけど、すごい試合だったよね。倒せるようなヒヤッとした場面が何度もあったしね。中谷君も負けはしたけど評価も上げたし満足そうだったよね。負けて評価を上げるのはどうかなと思うけどよかったよね」と指摘していた。
■4団体世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 1ラウンドに何度ダウンしても深刻なダメージがなければ継続されるフリーノックダウン制。4回終了までの偶然のバッティングで試合続行不可能となった場合は無効試合。4回が終了すれば負傷判定となる。途中採点は公開しない。インスタントリプレールールを採用する。ドーピング検査は試合後で、VADA(ボランティアのアンチ・ドーピング協会)が採用される。
■ボクシング4団体 多数の王座認定団体があるプロボクシング界で、権威があり主要なのは、世界ボクシング評議会(WBC)世界ボクシング協会(WBA)世界ボクシング機構(WBO)国際ボクシング連盟(IBF)の四つ。1921年創設のWBAは最も歴史がある。日本のプロボクシングを統括する日本ボクシングコミッション(JBC)は、世界王座の乱立は望ましくないとして、WBOとIBFを公認していなかったが、2013年に両団体を正式に承認し、加盟した。
■竹原 慎二(たけはら・しんじ) 1972(昭和47)年1月25日生まれ。広島県出身。89年にプロボクサーとしてデビュー。95年にWBA世界ミドル級王者ホルヘ・カストロ(アルゼンチン)に判定勝ちし、王座を獲得。プロ戦績25戦24勝(18KO)1敗。96年の現役引退後はタレントとしてバラエティー番組などに出演。2005年にはテレビ朝日系「特命係長 只野仁」に出演するなど俳優としても活躍。
■井上 尚弥(いのうえ・なおや) 1993(平成5)年4月10日生まれ。神奈川県座間市出身。神奈川・相模原青陵(現相模原弥栄)高で高校生初のアマ7冠。2012年にプロデビュー。14年4月にWBC世界ライトフライ級、同年12月にWBO世界スーパーフライ級、18年にWBA世界バンタム級王者に。22年12月に4団体統一。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を奪取し、世界4階級制覇。同12月にWBA、IBF王座を獲得し、2階級で4団体統一を果たした。プロ戦績は33戦33勝(27KO)。
■中谷 潤人(なかたに・じゅんと) 1998(平成10)年1月2日生まれ。三重県東員町出身。中1でボクシングを始め、高校に進まず単身渡米して腕を磨いた。2015年4月に日本でプロデビューし、19年2月に日本フライ級王座を獲得。20年11月にWBO世界同級王座決定戦を制した。23年5月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。24年2月にWBC世界バンタム級王座を奪取し3階級制覇。プロ戦績は33戦32勝(24KO)1敗。