令和と昔の違いといえば、試合前のトラ番たちの会話が興味深かった。
「なかなか、読めなくて。5月に入ると9連戦があるから、ますますややこしいです」
萩原がこぼす。
「3人が同時に同じ動きで調整するんですよ」
難解さを追加説明してくれたのが先輩トラ番・中屋友那。先発投手の予想の話だった。
予告先発なんだから、いいじゃないか!とはいかないのがトラ番。1週間先まで読み切るのが責務といっていい。藤川阪神になって、特にかく乱してくるという。
予告先発のない時代は大変だった。試合前のメンバー交換で、相手の意表をついたら、その時点で大きなアドバンテージ。もちろん、先発予想を外したら担当記者は上司からメッチャクチャ怒られた。
意地の悪い(?)部長がいて、毎月、担当記者の先発予想的中表を作成して、部会で配られた。
強いチームはローテが安定するから当てやすい。ところが、隣にいた弱いチーム担当のH記者は的中率25%。大説教を食らっていた。
「ブルペンに入ったかどうか? 走る距離はどうだったか? 見極めるポイントを教わりましたが、ホント、分からないです」
トラ番1年生・秋葉は困った顔をしていた。
昔と変わらぬトラ番の姿を妙にうれしく感じた、令和の1日でした。