七回の窮地を脱して、雄たけびをあげる阪神・大竹耕太郎=甲子園球場(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、阪神1ー0広島、5回戦、阪神3勝1敗1分、26日、甲子園)好投を祝うかのように、甲子園を黄色く染めたジェット風船が空を舞う。阪神・大竹耕太郎投手(30)が七回に一打逆転のピンチを切り抜け、感情を爆発させた。
「前回も前々回も、チームは勝っているんですけど、打線に助けられた。その分、きょうは自分が踏ん張って勝てるような試合にしたかったので、良かったです」
通算対戦成績16勝2敗を誇る鯉キラーぶりを存分に発揮し、好投手・栗林との投手戦を制した。六回まで二塁を踏ませない投球で広島打線を圧倒。七回に2死二、三塁と一打逆転のピンチを背負ったが、D3位・勝田(近大)を二ゴロに仕留めてピンチを脱出した。
2022年12月に現役ドラフトで加入し、3年間で32勝を積み上げた左腕。〝3年結果を残して一人前〟と言われるプロ野球の世界で、ひとつの壁を越えた。「3年やったから一人前です、という感じでもない」と口にはするが、移籍初年度との違いは実感している。
「活躍を見せていかなきゃいけない、自分のことを知ってもらわなきゃいけないみたいな、そういうものは今はない。自分のペースでやれる。そういう意味でのやりやすさはあるかもしれない」
今季は開幕から2試合続けて白星を逃すなど苦戦。それでも地道に調整を重ねた。登板前日の25日には練習後に武道教室へ。レッスンでは体幹から体の末端まで使って重心の位置などを確認し、さらにメンタル面で復調のきっかけをつかんだ。
「意識の向き方から着手して、自分に意識が行き過ぎていたというのを感じた。結果がいい時は『こういう感覚か…』っていうのを武道のレッスンで思い出した」
対打者への意識を取り戻した左腕はクイックを巧みに操るなど「打者がどう感じるかが一番大事」という意識のもとで相手打線を翻弄。監督通算100勝を達成した藤川監督も「彼の季節になってきたんじゃないですかね」と左腕のパフォーマンスに納得の表情を見せ、「これで大竹のいい登板の日が続くんじゃないか」とさらなる期待も込めた。
「(藤川監督の)通算100勝なので、気合は入っていた。やっぱり1勝するまで、いいイメージはなかなか難しいっていうのは毎年感じる。これから乗りに乗っていければいい」
新背番号「21」に代え、ついに幕を開けた大竹の2026年。持ち前の巧みな打者との駆け引きで、白星を重ねていく。(萩原翔)
★広島キラー健在
阪神・大竹は7回無失点で今季初勝利。甲子園では通算33試合に登板し 18勝4敗。広島戦は通算22試合で16勝2敗。広島戦での黒星は2024年8月10日(京セラ)と25年8月12日(マツダ)のみ。甲子園での広島戦は通算8試合で6勝0敗。