サンスポ

【虎のソナタ】コワモテ新人に虎番ビビビッ! ビヤ樽「化ける気がするんや」D5位・能登嵩都

投内連係の練習を行う能登。ベテラン虎番がブレークを予言した

ベテラン虎番、三木建次の朝はこの日も早かった。午前6時に自宅を出ると、新幹線に乗って名古屋へ。そこから在来線に小一時間ほど揺られ、愛知・蒲郡市の蒲郡球場に到着した。ターゲットは、6年目を迎える中野拓夢だ。

なぜ、中野が蒲郡市に?と思った方に、球歴をおさらいしよう。山形出身で、日大山形高から東北福祉大と〝地元〟で腕を磨いた。そして次のステージに選んだのが、愛知に拠点を置く三菱自動車岡崎だった。

例年なら、岡崎市内の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで自主トレを行うが、今秋に開催予定の愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会に向けてスタジアムは改修中。今年は三菱自動車岡崎の選手とともに、サブ球場がある蒲郡でトレーニングを積んでいる。

「お世話になった社会人チームで、現役でかぶっている選手もまだ何人かいる。久しぶりに会えて懐かしいというか、改めて良かったなっていう風に思い出させてもらえるような場所でもある。とても有意義な時間が過ごせている」

そんな中野の言葉に、ビヤ樽が解説を加える。

「原点に戻る、という気持ちになるんやろな。今季は3億円プレーヤーやけど。ほんま、うらやましいわ」

途中からは嫉妬が混じっていたけれど、〝中野効果〟は確かなようだ。

「172センチ、67キロと体は大きくないから、三菱の選手たちの方が体格がいいくらいで、混ざると埋もれてしまう。でもな、オーラを放っているからどこにいるかはすぐ分かるんや。3億円の後光やな。社会人でプロを目指している選手にとっては、いい刺激になっているはずやで」


目を細めながらトレーニングを見ていた三木だが、阪神入団時の中野から今の姿は想像できなかったという。ドラフト6位指名から頭角を現し、1年目に盗塁王。2023年には最多安打のタイトルも獲得した。同期には佐藤輝、伊藤将、石井らがいて、今や虎党、いや野球ファンが「神ドラフト」と称する世代の代表格だ。

すっかり出世した中野に続く存在として、ビヤ樽が推すのが、ドラフト5位ルーキーの能登嵩都(オイシックス)だ。

「つかみどころがない感じで、なんか取材したいなと思う選手やね。コワモテやけど、練習後に寮に引き揚げてからまた外に出てきて、ずっとサインをしているような一面もある。化ける気がするんや」

くしくも、24歳での阪神入団は中野と同じ。さて、三木の慧眼となるかどうか…。

そして、社会人野球といえば、今年からサンケイスポーツ評論家に復帰した八木裕さんが、『アスミビルダーズ』の打撃コーチとして指導初日を迎えた。

「リトルシニアのグラウンドを夜に借りて練習をしていてね。厳しさも感じる環境の分、選手はハングリーさが前面に出ていたよ」

20年に創部され、神戸市に本拠地を置くチーム。21、22年は全日本選手権大会の近畿最終予選代表決定戦で敗退。23年以降は同敗者復活戦で終戦している。

「面白いと思う選手は何人もいたよ。選手のため、チームのためにできる限りのことをやっていきたいね」

〝代打の神様効果〟で全国の舞台へもうひと押しが利くか。要注目だ。

©2026 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.