鉄壁補強だ! 阪神は13日、甲子園でナイター練習を行った。藤川球児監督(45)は全体練習前に最速161キロ右腕の工藤泰成投手(23)にライブBP(実戦形式の打撃練習)登板を課し〝秘密兵器〟としての起用を示唆。15日に開幕するDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(甲子園)に向け「準備万端」と自信をみせた。
虎ナインが照らされる。秋風が心地いい。恒例のナイター練習。その直前には、期待の剛腕に異例の登板も課した。繰り返してきた「凡事徹底」。だから、藤川監督は自信を持って言った。
「準備という意味では、天気も良かったし、十分じゃないかなと思っています。(相手が)早く決まってよかったですね。(DeNA、巨人の)どちらでも大丈夫でしたけど、良い準備ができる。選手は準備、万全な状態ですから」
午後5時から始まったナイター練習。CSファイナルステージ初戦を2日後に控えたナインは、フライ補球など約2時間、LED照明の下で目慣らしや体内時計の調整にいそしんだ。
その準備はどこまでも余念がない。全体練習が始まる1時間前の午後4時。若手を相手に、ある特訓が行われた。シーズン開幕直前に育成から支配下へと昇格させた工藤を、早川とともにライブBPに送り出した。
「この後、もしかしたらという投手ですからね。ハートウィグが故障(左脇腹痛)でいなくなりましたから、その分のところでの(球の)強い投手という意味では工藤がいる」
日の沈みかけた甲子園のマウンドに、藤川監督と工藤が並び立つ。ライブBPは打者4人に対して安打性ゼロ。ネット裏で投球を見守った指揮官は再びマウンド付近へと足を運んで声をかけた。最後は安藤投手チーフコーチを交えての3者面談。工藤は「『キャッチャーミットに投げるのではなく、その後ろに突き抜けるようなボールを投げるイメージ』と言われました」と振り返った。
最速161キロを誇る工藤は中継ぎとして開幕1軍を勝ち取るも18試合の登板で防御率3・31。リーグ優勝の瞬間はベンチ入りすることができなかった。ただ、新人ながら示した力強い直球は短期決戦で武器となる。
「あとでチームとして後悔しないように準備させて、もしかしたら(メンバー入りもある)。常に、そういう状況が準備ですから」
藤川監督が繰り返す「準備」という言葉。2日間のシート打撃で快音を響かせた森下、佐藤輝、大山のクリーンアップに「攻撃面に関しては不安なくいける」とうなずいた。そして、この日、12球団トップの防御率2・21の投手陣に工藤という〝秘密兵器〟も準備。「自分たちが自分たちの本拠地で自分たちの野球をする。非常に楽しみ」。やるべきことはやった。あとはDeNAを迎え撃つだけだ。
「タイガースのファンがチームを盛り上げてくれれば。力を借りるわけではないですからね、一緒に戦っていますから。その声に乗せて選手たちを後押ししてほしい」
甲子園に響き渡る大歓声に乗って-。藤川阪神が日本一へと歩みだす。(原田遼太郎)
★秋風の確認も
ナイター練習では浜風とは逆に、左翼から右翼方向に吹く秋風の確認を入念に行った。マシンを使ってフライ練習に取り組んだ高寺は「結構打球が伸びていた。(普段とは)だいぶ違うと思うので、気を付けてやっていきたい」と警戒。筒井外野守備兼走塁チーフコーチは「(秋風は)感じます。その日その日にならないと(浜風か秋風か)分からない。経験と準備はできた」と力を込めた。