燕の新星だ!! ヤクルトのドラフト4位・田中陽翔(はると)内野手(19)=群馬・健大高崎高=が3日、広島24回戦(マツダ)に「1番・遊撃」で先発出場し、初の猛打賞(1試合3安打以上)をマークした。球団の高卒1年目の猛打賞はサンケイ時代の1967年の奥柿幸雄以来、58年ぶりの快挙。ロッテ、ヤクルトで通算79試合に登板した充(たかし)さん(50)を父に持つ183センチの大型遊撃手がアピールした。
19歳の若武者が球団史に名前を刻んだ。初めて1番に座った田中が猛打賞の活躍。試合前から大粒の雨が降り注いだ敵地で輝きを放った。
「浮いてきた球を打てたのでよかった。日々、失敗したことを思い返して練習して、それがいい形でできているので続けようと思います」
2度目の先発出場をすると、一回先頭で右越えの二塁打をマーク。相手バッテリーのミスで三進し、村上の右犠飛で先制のホームを踏んだ。二回には右前打、五回にも中前打と快音を響かせた。
球団で高卒1年目の猛打賞はサンケイ時代の1967年5月5日の中日戦の奥柿幸雄氏以来、58年ぶり。ロッテ、ヤクルトで通算79試合に登板した田中充氏を父に持ち、幼少期はヤクルトジュニアとしてプレーした183センチの大型遊撃手が村上も届かなかった偉業を達成した。
偉大な先輩の背中を追う。群馬・健大高崎高時代は強打の内野手として注目を集めた新人は、父の影響もあり幼少期から大の燕党。目指す姿は通算2133安打を放ち、ゴールデングラブ賞を10度受賞した球団OBの宮本慎也氏と村上宗隆だ。
東練馬リトルシニア時代に指導を受けた宮本氏に座右の銘「球道即人道」と刺繍(ししゅう)されたグラブをもらい、今でもラインで叱咤(しった)激励を受ける。大先輩の鼓舞を励みに研鑽(けんさん)を積んでいる。
2軍キャンプからともに時間を過ごした村上には「調子に乗っちゃ駄目」と打撃以外でも助言をもらう。「年齢を問わず、全員を引っ張っていけるところがすごい」と慕う主砲からは「将来が楽しみな選手。これからのスワローズを引っ張っていく存在になってほしい」と期待をかけられる有望株だ。
野手7人が25歳以下のフレッシュな面々で臨んだ一戦で快勝した。「村上さんもいいお手本となって今いてくれるので、その背中を追っていけたらなと思います」と田中。5年ぶりの最下位が決定したチームの未来を背番号54が明るく照らした。(樋口航)
■田中 陽翔(たなか・はると) 2006(平成18)年6月25日生まれ、19歳。東京・狛江市出身。幼稚園の年中時代に狛江ロッキーズで野球を始め、小1からは武蔵府中リトルでプレー。小6ではヤクルトジュニアに選出された。狛江二中時代は東練馬リトルシニアに所属。群馬・健大高崎高3年時は選抜大会で優勝し、夏にも甲子園出場。高校通算21本塁打。25年ドラフト4位でヤクルトに入団し、5試合で打率・333、0本塁打、2打点(3日現在)。183センチ、88キロ。右投げ左打ち。独身。年俸550万円。背番号54。