首脳陣の期待が表れたのは10日の阪神戦だ。右手小指の剥離(はくり)骨折から戦列に戻り、すぐさま先発で起用された。再登録が可能となる最短10日での復帰だった。8月29日の中日戦の走塁で負傷し、その後もプレーを続けてプロ初本塁打を放った。「痛かったのは事実」と振り返るが、それを我慢して翌30日も代走で出場した。
離脱で心にこみあげてきたのは後悔の念。「けがをしたときも調子はよかった。本当にもったいなかった」。チームが開幕から遊撃手を固定できない中、チャンスをつかみつつあっただけに、悔しさが募った。4戦連続の先発となったこの日は、五回の左前打で4試合連続安打を記録。その思いを晴らしている。
6回、巨人先発・田中将大から先制の2点適時二塁打を放つDeNA・石上泰輝 =15日、横浜スタジアム(撮影・大橋純人)三浦監督は均衡を破った一打を「石上の執念」とたたえた。監督通算336勝となり、球団歴代3位のラミレスに並んだ。9月は10勝3敗と勢いに乗り、7月3日以来の貯金1。チームは2位で権利を得られる、2022年以来3年ぶりのCSファーストステージ本拠地開催に前進した。
指揮官が「優勝がなくなった時点でそこを目指している。まだ終わったわけじゃない」と勝ってかぶとの緒を締めれば、石上も「2位になってCSをホームでやりたいとみんな思っている」とナインの思いを代弁した。一致団結し、ラストスパートをかける。(鈴木智紘)