文化庁は25日、食文化の功労者を顕彰する制度の創設に向けた有識者会議の提言を公表した。日本料理だけでなく西洋料理、菓子など多様な分野で頂点に立つ技術を持った個人を対象とし、受賞者を「食の至宝」と呼ぶことを提唱した。文化庁は提言を基に詳細を詰め、2026年度の顕彰開始を目指す。新制度を人間国宝(重要無形文化財保持者)の認定材料とする考えもある。
顕彰の対象は料理人やソムリエ、女将といった個人の無形の技で、食文化の多様性を反映するため分野は特定しない。選考基準として①歴史的に価値が高い技術を保持②料理を通じて芸術的価値を表現③後継者育成に貢献④地域社会の維持に配慮―などを挙げた。
提言は、消費スタイルの変化や過疎化、少子高齢化に伴う担い手不足により、食文化は「継承が危ぶまれる危機的状況にある」と指摘。料理人らの功績を評価し、国内外に発信することが食文化全体の底上げにつながるとして、顕彰制度の早急な創設を求めた。
有識者会議は、京都の老舗料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんら6人の委員で構成。昨年9月から議論を始め、今月21日に提言をまとめた。