阪神のドラフト2位右腕・椎葉剛(22)が新しい選択肢を広げている。四国IL・徳島から最速159キロの直球を武器に入団してきた当初は、1イニングを抑える救援としての役割を求められていた。ところがウエスタン・リーグ終盤から、長いイニングを投げられるように方針転換。7日のみやざきフェニックス・リーグ、巨人戦(生目第二)では六回から登板し、4回無失点と好投した。
「きょうの課題は真っすぐで押しながら、フォーク(を使う)というのがあった。ランナーを背負いながらでもフォークで内野ゴロが取れたり、カウントが取れたりしたので、そこはよかった」
巨人はクライマックスシリーズ・ファイナルステージを見据えて阿部監督が視察に訪れたほか、浅野、モンテスら主力選手も出場。それでも臆せず腕を振った。毎イニング出塁を許しながらも、粘り強く無失点。七回2死二、三塁、八回2死満塁のピンチはどちらも空振り三振を奪ってしのぎきった。
これで5登板連続となる複数イニングとなった。イニングを重ねることで、自分が楽に投球をするために必要なことも見えてきた。「もう1球カウントを取れる変化球があったら、もっと楽に(いける)。1イニング全部が中継ぎのように全力、全力みたいな感じだった。それで終盤疲れていっていたので、もう1球変化球があることによって、真っすぐも刺されるようになるし、フォークも生きてくると思う」。1軍で活躍する先発投手陣を見ても、カウントを取れて、決め球にもなる変化球が複数必要になることがわかる。その重要性を、マウンドに立って肌で感じた。
今後も長いイニングでの起用が続いていくもよう。和田2軍監督は「だんだんスタミナもついてきているし、ランナーを背負いながらもいいピッチングしている。先発させたい。リリーフでも長いイニングを投げるように次回からやっていく。このままずっと後ろっていうことじゃなくて先発も十分ある」と明かした。即戦力として期待されながら1年目から1軍の戦力になることはできなかったが、可能性を模索し続けていく。
「先発も楽しいです。長く投げられる楽しさはある。今は先発を頑張ろうと思っていますけど、最終的にはまた後ろに戻れたらいいかなって思っています」
理想として思い描くのは、リードを守りきり、チームに勝利をもたらす救援の姿であることは間違いない。ただ、それを実現させるために経験すべきことはたくさんある。任された立場を懸命にこなすことでこそ、もたらされる成長もあるはずだ。その先に待つ1軍のマウンドを見据え、イニングを積み重ねていく。(中屋友那)
■椎葉 剛(しいば・つよし)2002(平成14)年3月18日生まれ、22歳。大阪・堺市出身。三原台小1年から軟式野球を始め、三原台中では富田林ボーイズでプレー。長崎・島原中央高では捕手として1年からベンチ入りした。20年にミキハウスに投手として入社。昨季四国IL・徳島に加入し、リーグ戦22試合登板で3勝1セーブ、防御率2・31。24年D2位で阪神入団。契約金7000万円、年俸1000万円。今季ウエスタンで23試合に登板し0勝0敗、防御率4・45。最速159キロ。右投げ右打ち。182センチ、94キロ。背番号「26」