雨が降りやまず継続試合になり、応援に来た父兄に挨拶する慶応志木の石塚大起監督 =ハレニワスタジアム熊谷 (撮影・高橋朋彦) 第106回全国高校野球選手権大会埼玉大会(12日、慶応志木5―0深谷商=二回裏途中継続試合、熊谷)1回戦で県内最年少指揮官となる石塚大起監督(19)=慶大2年=が率いる慶応志木と、新1万円札に肖像がデザインされた渋沢栄一が訪れた深谷商が対戦。悪天候のため、慶応志木が5―0とリードして攻撃中の二回1死満塁から13日に継続試合となった。
〝新旧1万円札の顔〟対決は豪雨のため、慶応志木が5―0とリードのまま13日に継続試合となった。慶応志木は福沢諭吉が創設した慶大の付属校。対する深谷商は、新1万円札に肖像がデザインされた「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一が埼玉・深谷市出身で、1922年に同校を訪れた際に校訓になっている「至誠」「士魂商才」の書を残した。慶応志木・石塚監督は「噂になっているのは耳にしていて〝そういえばそうだな〟と」と笑った。
石塚監督は2005年4月1日生まれの19歳。現役の慶大法学部政治学科2年生で、もちろん県内最年少監督。同校OBで3年時の2022年夏の埼玉大会では「4番・右翼」だった。現3年生は指揮官が3年のときの1年で「その分、思い入れが強い」と話す。慶大野球部のセレクションも受験し、大学でも野球を続けるつもりだったが、恩師である柴田康男前監督が定年退職で昨夏に退任。後継者として指名を受け「想像もしていなかった」監督就任を受諾した。
現在は学業、飲食店のホール係のアルバイトもしながら、週4日母校で指導。「OBの方や大会運営の方に球児と間違われることはちょくちょくあります」と苦笑する一方で「監督と生徒との距離感がないので、一体となってやれるところが強み。目標はベスト8」と力を込めた。
公式戦初采配となった昨秋の南部地区予選では五回コールド負けを喫したが、慶大・堀井哲也監督から指導、育成法の助言を受けて、指揮官として最初の夏を迎えた。継続試合となったことで、試合後の取材対応はなかった中、〝2日がかり〟での1勝、そして今夏は神奈川のみならず埼玉でもKEIO旋風を巻き起こす。(東山貴実)