五回、右中間フェンス直撃の二塁打を放つ紅組・前川右京(撮影・中島信生) 阪神春季キャンプ(11日、沖縄・宜野座)芯で捉えた鋭い打球音が、虎党で埋め尽くされた宜野座に次々と響く。阪神・前川右京外野手(20)が、初実戦となった紅白戦で4安打。集まった1万5000人を何度も沸かせ、外野のポジション争いに火をつけた。
「2本、ポテン(ヒット)があったんですけど、その2打席以外は内容よくいけたと思います。最後の打席のライト前が(一番)良かった」
六回、バットを折られながらも内野安打を放つ前川右京(撮影・松永渉平)四球も含め全5打席で出塁し、自身でも納得の当たりを2度飛ばした。五回は1死一塁で石井の直球を捉え、右中間フェンス直撃の二塁打。八回には2死から浜地の149キロ直球を振り抜いて右前へ運んだ。「ストレートと相手のいい球種を7対3で待っていました。2人の真っすぐをはじき返せたのがよかった」。一回は右前にポトリと落とし、六回は一塁手と二塁手がお見合いする二塁内野安打で計4安打。2024年の初実戦で申し分ない結果を残した。
この日はミエセスが二回に〝チーム1号〟の本塁打を放って存在感を示した。外野手のレギュラーを争う野口、森下、井上が前川とともにフル出場する中で、ひと足早く打力をアピールした。
今キャンプでは下半身の使い方を意識し、インパクトの瞬間に力を集中する打撃を模索中。岡田監督は「練習でちゃんと打ってるんやから、そういうスイングができてるっていうこと」と日々の取り組みが形になっていることを評価した。自身は好内容にも満足せず、次の結果を求めて謙虚に先を見据えた。
「その日がよくても、また明日はゼロからのスタート。そういう気持ちで過ごしたい」
激化する外野手の競争から抜け出すべく、会心の当たりを積み重ねる。(邨田直人)