2回 本塁打を放った阪神・シェルドン・ノイジー=京セラドーム大阪(撮影・沢野貴信) (SMBC日本シリーズ2023、第6戦、4日、甲子園)王手をかけた虎の背中を大きく押す1点が、スコアボードに刻まれる。ノイジーが貴重な先制点を生み出した。力勝負で白球をスタンドに届かせた助っ人は、ベンチに戻るともみくちゃにされて祝福を受けた。
「しっかり振り切ることができたし、最高の結果になってくれてうれしいよ。大事な一戦で先に得点が欲しいと思っていたし、チームに貢献することができてうれしいね」
オリックスの先発は第1戦と同じ山本。前回対戦では7点を奪ってKOしたとはいえ、パ・リーグ3年連続4冠の好投手。村上と最優秀防御率同士の投げ合いは、どちらが先に得点を奪うかが重要だった。
二回1死まで走者を許さず、順調に飛ばしていた山本を背番号7がたたいた。初球の156キロツーシームにアジャスト。右方向に高々と舞い上がり、オリックスの右翼・森がゆっくりと下がってフェンスにつく。白球はその上を越え、スタンド最前列に吸い込まれた。逆方向も何のその。レギュラーシーズンではわずか9本塁打だった男が、9月23日のヤクルト戦(神宮)以来の一打を放ち、頂上決戦でその真価を発揮した。
日本シリーズもレギュラーシーズン同様6番で開幕したが、第3戦からは打順を上げて5番に座る。5試合を終えて19打数4安打で打率・211。ハイアベレージではないながらも、つなぎの打撃で打線を回してきた。これまで打点は挙げていなかったが、ひと振りで得点を刻んだ。
ノイジーの一発が、阪神の今シリーズ初本塁打。球団では2003年第7戦の広沢克実以来、実に20年ぶりの日本シリーズ弾が第6戦にやっと記録された。虎の外国人選手だと1985年第3戦のバース以来となる一発だった。
3勝2敗と王手をかけて迎えた第6戦。1勝1敗で甲子園に映ったチームは初戦こそ接戦で落としたものの、第4戦を劇的サヨナラ勝利、第5戦を0―2の八回に一挙6得点を奪う大逆転勝利で王手をかけ、京セラに乗り込んだ。岡田監督は王手をかけた2日の試合後、「もうそら、あしたよ」と足踏みナシでの日本一達成を宣言していた。
1985年以来38年ぶりの日本一まであと一つ。すぐそこに迫った頂を手にするため、頼れる助っ人が口火を切った。(中屋友那)