恐怖の8番は2安打1打点。ポストシーズンは打率・500と好調だ (SMBC日本シリーズ2023、オリックス0-8阪神、1回戦、阪神1勝、28日、京セラ)最高峰の舞台で、また木浪スマイルが輝いた。難攻不落の山本から2安打1打点で、ポストシーズン男にふさわしい活躍を披露した。
「あまり甘いボールはない中で、1球で仕留めるところをすごく意識して入りました。みんながつないでいった結果が、今日のゲームになったと思う」
4―0の六回に見せ場を作った。2死一、三塁で山本の153キロ直球を捉え、左前に流し打ち。三走の生還を見届け、一塁ベース上で笑顔がはじけた。CSファイナルステージでは、第2戦のサヨナラ打を含む打率・500(10打数5安打)の活躍でMVPを獲得。五回にも2本の適時打を呼び込むつなぎの右前打を放っており、マルチ安打でポストシーズン打率・500をキープする。
六回、左前適時打を放った木浪はベンチに向かってポーズを決めた最後は気持ち―。大一番を前に、指揮官と木浪の考えが重なった。開幕前日の27日、岡田監督は「普通」を捨て「チャンスになったら気持ちも高ぶるだろうし、そこでどんな形でも結果出すことやろ。そういう奴がシリーズ男みたいになるんちゃう」と語った。
CSの大活躍から「リセット」を強調した木浪も、同じ思考で短期決戦に入っていた。「気持ちがしっかり準備できているのと、そこでしっかり打つという気持ち。気持ちが大事かなと思いますね」。将のもとで今季不動の遊撃手となり、勝負の勘どころを〝シンクロ〟させて爆発。日本一を決める舞台にも動じない精神力が恐怖の8番を突き動かした。
「初戦が一番大事だと思っていたので。お互いいいピッチャーでどういう展開になるかという中で、打てたというのが良かったです」
価値ある1勝に確かな手応えをにじませた。残り3つの白星も、木浪が気持ちで手繰り寄せる。(邨田直人)