ヤクルト・奥川恭伸投手(20)が18日、西武とのオープン戦(ベルーナ)に先発し、5回4安打1失点(自責点0)と好投した。直球は最速149キロを計測。変化球も切れ味鋭く、6奪三振をマークするなど、29日の神宮での本拠地開幕戦(対巨人)に向けて、万全の状態に仕上げた。今季はグラブ、シューズなどにラッキーアイテム「ラベンダー」のカラーや刺しゅうを取り入れている。幸運も呼び寄せて、勝負の3年目に挑む。
マウンドで白い吐息が漏れた。気温4度。〝花冷え〟のベルーナドームで奥川がホットな結果を残した。西武の強力打線を相手に5回4安打1失点。本拠地開幕戦のマウンドへ、準備を整えた。
「最後のオープン戦登板で全体的に自分の意図した球が投げられた。打者との対戦感覚も少しずつ出てきたので、良かったと思います」
中10日の登板間隔で、29日に神宮で行われる本拠地開幕戦(対巨人)の先発が決定している。今季初実戦だった2月20日のロッテ戦(練習試合)では、二回途中3安打6失点とつまずいたが、登板ごとに課題を克服し、約1カ月で万全な状態に仕上げた。
無四球で6奪三振。直球、スライダー、フォークボールといずれも精度が高く、走者を背負ってからはギアが上がった。
二回1死から中村、外崎に連打を浴び一、二塁。昨季、通算2000安打を達成した左打者の栗山には、内角ボールゾーンからストライクゾーンに入る「フロントドア」のフォークボールで見逃し三振。続く愛斗は146キロの内角直球で見逃し三振に斬った。
さらにすごみを増したのは四回2死で中村との対戦だ。通算442本塁打の大砲をカウント2-2から、切れ味鋭い「フロントドア」の内角スライダーで空振り三振。相手の懐を攻め、横幅43・2センチの本塁ベースを最大限に使った。
2桁勝利と規定投球回到達を目標に掲げた2022年。ラッキーアイテムが奥川をアシストしてくれる。このオフ、占い師に今年のラッキーアイテムは「ラベンダー」と教えてもらった。
「今までそういうことをやったことがなかったんですけど、信じてみようかな」と20歳。今季使用するグラブの内側にはラベンダーの刺繍(ししゅう)を入れ、ランニングシューズはラベンダーカラーにしてもらった。
幸運を呼び込むためだが、「今のところ、ラッキーなことは何も起きてないですね」と苦笑い。それでも、高卒3年目はキャンプから思い描いたように進んでいる。
優雅な香りを放つことで「ハーブの女王」とも呼ばれるラベンダーの花言葉は「期待」「あなたを待っています」。今季の飛躍を連想させてくれる。
29日の本拠地開幕戦へ、「自分にとっての一発目の試合ということですごく緊張感がある。何とか勝ちたい」と視線を鋭くした。真価が問われる3年目。燕党の〝期待〟を背負って、マウンドに上がる。(横山尚杜)
★ヤクルトの本拠地開幕戦 奥川が先陣を切る本拠地開幕シリーズ(29-31日)では、昨季の日本一を記念して、さまざまな企画が用意されている。29日は象徴的なシーンを振り返る「絶対大丈夫―2021日本一記念フォトブック」を来場者にプレゼント。30日は「栗入りおせきはん」、31日は「2021NIPPON CHAMPIONS タンブラー」が配布される。
★センバツ出場の母校にエール 奥川の母校、石川・星稜高が19日開幕の選抜大会に出場する。自身は2年春から4季連続で甲子園に出場。2019年夏は準優勝に導いた。プロ1年目の20年春は1学年後輩の内山壮らが新型コロナの影響を受け、大会が中止となったこともあり、母校の後輩たちに「とにかく甲子園で試合ができるということ。僕自身すごく楽しかった思い出があるので、思い切ってプレーしてもらえれば」とエールを送った。恩師の林和成監督(46)が今大会を最後に勇退する。「3年間お世話になったので甲子園で勝ってほしいという気持ちは強い」と期待を込めた。