フリーの演技を終えたカミラ・ワリエワ=17日、首都体育館(彦野公太朗撮影) 17日の北京冬季五輪フィギュアスケート女子フリーで、ドーピング問題で世界から疑惑の目が向けられるカミラ・ワリエワ(15)=ロシア・オリンピック委員会(ROC)=の演技は大きく崩れた。大本命が涙を流す姿に衝撃や同情が広がり、出身国ロシアのメディアは批判の矛先を欧米諸国や国際オリンピック委員会(IOC)に向けた。
ロシアのスポーツ・エクスプレス紙は「表彰台を逃す悲劇」との記事を掲載。IOCの対応や過熱した欧米メディアが「天才を沈めた」と非難した。ロシア通信は、ワリエワが欧米で高まる反ロシア感情の被害者になったとの政治家の発言を報道。RBK紙は泣き崩れたワリエワの写真とともに、20日のエキシビション出演はかなわなくなったと伝えた。
米国でも注目を集め、テレビ中継で解説者を務めた元米国代表ジョニー・ウィアさんは「これまで見たワリエワのフリーの演技で最もミスが多かった」と語った。NBCテレビは、金と銀のメダルを獲得したのに困惑の表情を浮かべたROCの選手らと、うれし涙を流した坂本花織の姿を対照的に報じた。
英紙ガーディアンは、演技後にワリエワを叱責したコーチのエテリ・トゥトベリゼ氏を「さらに問題を悪化させた」張本人だと非難。英国の金メダリスト、ロビン・カズンズさんは英BBC放送で、ワリエワを「リンクに立たせるべきではなかった」と語り、出場を認めたスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を批判した。(共同)