ソフトバンク・藤本博史新監督(57)が29日にペイペイドームで就任会見を行った。
「プロ野球人として、最高峰のポジションですよね。やりがいがあるんじゃないかと思って決めました」
今季4位と8年ぶりのBクラスに沈み、7年間指揮をとった工藤監督が退任。王会長も「ホークスは世代交代を迎えている」と話すなど、過渡期にあるチームのバトンを受け取った。1982年に奈良・天理高から当時の南海に入団して40年。愛するホークスを強くするために、2022年の監督を請け負った。
忘れられない景色が、原動力だ。1998年に金銭トレードでオリックスに移籍すると、同年に現役を引退。通算715安打、105本塁打などの成績を残してユニホームを脱いだ。翌99年に当時ダイエーが福岡移転後、初優勝。藤本監督は解説者として、王会長(当時監督)が胴上げされる景色を見守った。
「98年に僕はやめたんですけど、解説をやらせてもらって。ちょうど解説のときに優勝したんですよね、ペナントレースで。王会長が胴上げされているのを見たときに『本当はその輪の中に入りたい』『もう1年頑張ればよかった』とすごく後悔しました。でもすごくいい経験ができたと感じています」
チームはそのまま日本シリーズでも中日を倒して日本一。藤本監督はその後、2011年に2軍打撃コーチとしてホークスのユニホームに袖を通した。柳田をはじめ次々と若鷹を1軍に送り出すなど、指導者としてのキャリアを少しずつ積んできた。選手として味わえなかった、あの歓喜の瞬間-。かなえられなかった夢を、今度は監督となって実現するときだ。
「今までが常勝軍団という形できていますから。いきなり藤本になって弱くなったといわれたくないので」
育成も勝利も追い求めると約束した。南海時代を知り、ホークスを愛する藤本新監督こそ、再建にふさわしい。(竹村岳)