銀メダルを獲得した日本代表。ベテランと若手が融合し、大躍進した(撮影・佐藤徳昭) 東京パラリンピック最終日・車いすバスケットボール(5日、有明アリーナ)男子決勝で日本は前回リオデジャネイロ大会王者の米国に、60―64で敗れて銀メダルだった。リオ大会は9位だったチームが、12度目の出場で初の表彰台と躍進した。18得点を挙げた33歳の香西宏昭(NO EXCUSE)や37歳の藤本怜央(宮城MAX)が攻撃を引っ張り、22歳の鳥海連志(パラ神奈川SC)が18リバウンドと守備で貢献。ベテランと若手の力がかみ合った。
表彰式で互いの首に銀メダルをかけたヒーローたちが、誇らしげに笑った。チーム最年長37歳で出場5大会目の藤本は、その名を刻んだ仲間と歓喜を分かち合った。
「歴史を変えるために集まった12人が、歴史を変えた事実を喜べた」
5点ビハインドで迎えた第3クオーター。オールコートの激しい守備でボールを奪いにいった。33歳の香西が次々とリングを射抜き、46―45と逆転。残り約5分で5点まで広げたリードをひっくり返されたが、堅守速攻で前回王者を追いつめた。
第3クオーター、シュートを決める鳥海(中央手前)。攻守でチームを引っ張った過去最高は7位で、前回大会は1次リーグ1勝で12チーム中9位。4点差の惜敗は、東京五輪で銀メダルに輝いた女子に続く大躍進の証しだ。
開幕直前に米国と行った10分数本形式の練習試合では、ダブルスコアで蹴散らされたケースもあった。相手側は日本に対して「プリティイージー」と口にしたという。闘志に薪をくべられた面々は「ベリーハードワーク」を掲げ、大柄な難敵に立ち向かった。
昨冬就任した京谷和幸ヘッドコーチは「1・5倍の運動量」をチームに課してきた。ついてこられない選手には試合の出場機会を与えず、実績十分の藤本や香西さえも出場メンバーから外した。激しい競争の中で22歳の鳥海ら若手が成長。期待のホープは両チーム最多の18リバウンドをマークし、「僕たちのスタイルが世界に通用すると証明できた」と胸を張った。
「一戦一戦成長し、若い選手が躍動した。ベテランも負けじと役割を果たした」と香西。パラ屈指の花形競技で、鮮やかにラストを彩った。(鈴木智紘)