■4月1日 深夜に及ぶ大宴会の発覚で厚労省に「老健局」なる部局があることを初めて知った。老人ナントカ局の略かと思ったら正式名称で高齢者医療や福祉などを担当しているとか。「ろうけん、というから老いた犬を保護しているのかと思った」と友人が笑った。内部で分かりさえすればいい、とでも言いたげで一般にはなじめない。
2001年の中央省庁再編で旧厚生省の老人保健福祉局が組織変更して、この名称になった。そういえば、08年に発足した新たな高齢者医療制度で75歳以上を「後期高齢者」としたときは「後期とは早く死ねということか」と批判が渦巻いた。役人のネーミングには夢も希望もないようだ。
大阪府の吉村知事が適用を要請した「まん延防止等重点措置」もネーミングに首をひねる。略して「マンボウ」。誰もがユーモラスな姿で泳ぐ水族館の人気者を思い出すはずで、なんとも締まらない。感染拡大期に措置を使うのが「上がりマンボウ」、ステージ2相当まで抑えるときに使うと「下がりマンボウ」ときては業界用語そのものだ。 政府対策分科会の尾身茂会長も31日の衆院厚労委員会で、大阪府について「ステージ4(爆発的感染拡大)に近づきつつある」として「私としてもマンボウの発令を検討すべき時期に来ていると思う」と発言した。こういう場で、この人まで略してしまったかとつい吹き出した。
緊急事態宣言の解除後で、経済へのダメージを考え「マンボウ」には消極的だった政府も適用に踏み切るという。知事が飲食店への時短要請を命令できるが、それにしては緊張感など伝わらない。「まん延」は余計で、簡潔明瞭に「防止重点措置」で十分だろう。(今村忠)