サンスポ

【インタビュー・挑む男】中日・福留、虎ファンと再会楽しみだけど…「イジメないで(笑)」 43歳球界最年長、古巣竜でもうひと花

福留は2軍キャンプで順調に調整。20日は1軍の阪神戦で復帰初実戦に臨む(撮影・甘利慈)

 12球団のキーマンに迫る「挑む男 2021」の第10回は、昨季限りで阪神を退団し、2007年以来14年ぶりとなる古巣復帰を果たした中日・福留孝介外野手(43)。春季キャンプでは連日、元気にバットを振り、順調に調整を続けている。思い入れの深い名古屋で、再び花を開かせようと汗を流す球界最年長を直撃した。(取材・構成=須藤佳裕)

 --ここまでのキャンプを振り返って

 「体や足腰もしっかりと自分の思っているように動けていて、けがもなくきているので、いまのところはそれなりに順調に進んでいると思います。体が張ったり疲れたりするというのは当たり前のことだし、想定していることなので気にはならないです」

 --年齢を重ねるごとにけがの怖さは増す?

 「僕らはもう、この年齢になってけがをすると影響が大きくなってしまうし、治るまでに時間がかかるというのもある。そういうことも含めれば、細心の注意を払うというのはやらないといけない。まずはけがをしない準備、体づくりを最初にやる。でも、そこで怖がって量をこなせない、追い込めないというようになるのも違うと思うので、そこは準備をして、追い込むところは追い込むというようにやっていますけどね」

 --ドラゴンズに復帰して感じる、雰囲気の変化やギャップは?

 「外から見るとおとなしいのかな? というふうにも見えますけど、いろんな話もしながら『みんな明るくやっているなあ』という感じですね」

 --若手選手から声をかけてくることも、増えてきた?

 「野球のことだけじゃなくて、昔のいろんな選手の話であったり、そういうことも含めて。一人の選手がどういう考えを持っているのか、どういうことを考えているのかを知るうえで、いろんな話をすることが大切だと思うし、そういうことができていけばいいかなと思っていますね」

 --バンテリンドーム(ナゴヤドーム)は福留選手にとってどんな場所?


 「僕がこの世界で野球をまだ続けていられるのも、最初に入ったのがドラゴンズで、その本拠地がナゴヤドーム。そこは僕が第一歩を踏み出した場所。名古屋も特別な場所になると思いますし、そういう場所でまた野球ができるというのは、ありがたい」

 --再び「中日・福留孝介」としてグラウンドに立つことになる

 「結果が大事だし、出さないといけないとは思いますけど、やっぱり一人の野球選手として、またそこでドラゴンズのユニホームを着てプレーができるというのは、やっぱり楽しみです」

 --一方、今度は阪神が古巣に。意識は?

 「いままでずっとタイガースにいて、ドラゴンズと対戦するときも、そういう形(古巣との対戦)になっていた。そこは関係なく、自分にできることを目いっぱいやりたいなと思います」

 --阪神ファンの前でのプレーも楽しみ?

 「楽しみですけど、あまりイジメないでほしいなと思っています(笑)」

 --開幕の「3・26」はどういう姿でプレーボールの瞬間を迎えたい?

 「まずは全力でプレーができる状態でグラウンドの中にいたいと思っていますし、それまでの間に自分ができることを精いっぱいやっていく。あとは監督やコーチの方々が決めることですけど、やっぱりグラウンドの中で自分が立っていることをイメージしながらやっていく。その中でいろんな準備をしていきたいなと思います」

 ◆20日、古巣・虎戦出撃!

 この日、中日は1、2軍ともに休日で、福留も宿舎で静養したもよう。20日に行われる1軍の阪神との練習試合(北谷)で、中日復帰後初の実戦に臨む予定だ。17日の2軍の沖縄電力戦がグラウンドコンディション不良で中止となったため、再デビュー戦が流れていた。古巣との対戦に注目だ。


 ◆勝負強い代打に期待

 福留が球団から期待されていることのひとつが、ここ一番で勝負強さを示す代打。阪神に所属した昨季は28打席に立ち、7四球と集中力を発揮した一方、打率・105(19打数2安打)と慣れない役目に苦しんだ。「できなかった部分はいろんなことを考えながら(やる)。今年は対処の仕方を考えて、描きながらやろうと思っています」と経験を糧にし、任された出番で全力を尽くす。

 ◆休日の過ごし方「DVDを見たりしていますね

 福留は例年のキャンプ休日の過ごし方を「ゴルフをしたり、フラフラ(散歩)したりしていますね」と話すが、今年はコロナ禍で外出禁止。宿舎では「名古屋から送ってもらったDVDを見たりしていますね」と明かした。ジャンルには映画だけでなく「吉本所属なので」とお笑い番組も含まれており、異例のインドア生活を楽しんでいる。

 ■取材後記

 2000年ごろからプロ野球に興味を持ち始めた記者にとって「中日・福留孝介」はスター中のスター。大リーグ時代も、関西で育ったがゆえによく目にしていたタテジマ姿の時も、そのイメージはずっと変わることがなかった。

 中日担当2年目で巡ってきた、見上げるしかないレジェンドへの単独インタビューは、決定したときから緊張しっぱなし。だが、迎えたそのときは最初から最後まで、目線を合わせるように一つ一つの質問に丁寧に答えてくださり、感謝するばかりだ。

 古巣復帰会見で昨季の成績が振るわなかった理由を問われた際、力不足を一因に挙げ「もっともっと練習してうまくならないといけない」と語ったのが印象的。年齢を言いわけにも気にもせず、後輩選手からもさまざまなことを吸収しようという貪欲な姿勢を、話や練習する姿で示してきた。「中日・福留孝介」として再び動き出す大スターの野球人生は、まだまだ輝くと信じている。(須藤佳裕)

©2026 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.