退団時の矢野監督との秘話を明かしてくれた手嶋氏(本人提供写真)
昨年10月5日のDeNAとのCSファーストステージ第1戦、八回の北條の逆転打に阪神ベンチは全員ガッツポーズだった
1年を通してぶれなかった矢野監督 ギャラリーページで見る 各界から阪神にエールを届ける「コロナ打ち破れ!」。第19回は、昨季まで12年在籍した手嶋秀和元トレーナー(37)が登場し、前後編で虎にエールを送る。後編は、就任1年目からチームに新たなスタイルを植え付けた矢野燿大監督(51)との退団時の秘話を明かした。ぶれない指揮官の下、逆境を跳ね返せ!(随時掲載)
阪神は少しずつ実戦に近い練習が増えてきていますが、どうしても調整が遅れている部分もあると思います。気持ちが体を動かす、ではありませんが、ある意味開き直って、矢野監督が掲げている、楽しく明るくやっていく、ガッツポーズをする、気持ちを前面に出していけよというスタイルがあれば、本当にいい方向に進んでいくと思います。
昨シーズン、矢野監督は最初から最後までぶれませんでした。裏方も含めてチーム全員が参加したミーティングが要所要所で行われましたが、矢野監督は「俺らがファンのためにやることは変わらない。ファンが盛り上がってくれることを第一に考えて、明るくやっていこう」と毎回おっしゃっていた。
ファン目線で物事を考えている監督の考え方を、選手もわかってきていたと思います。ファンが楽しい、騒げるっていうことはチームが勝つということ。ファンが喜べば実力以上のものが出る、チームはのっていける、と。だからクライマックスシリーズ(CS)までの連勝中(6連勝フィニッシュで3位浮上)は負ける気がしなかった。CS中もそうでした。あ、これは勝つよねって。そういう雰囲気に僕は感じていました。
喜んでくれたファンのなかには、小さい子どもたちもいます。僕が退団した理由の一つに、プロ野球を目指す子どもたちのサポートができればという思いもありました。CSで負けたその日に退団する意思を球団に伝え、正式に決まると矢野監督から電話をいただきました。
「俺も野球をやりたい、うまくなりたい、タイガースで野球をやりたいっていう子を一人でも増やしていきたいから。俺もこの職業を辞めたときにね、そのときはまた力を貸してくれな。てじ(手嶋元トレーナー)が先にそういうことをやってくれるっていうことだから」
本当にうれしかったし、頑張ろうと思えた。今も阪神ファンの子どもたちは開幕を待ち望んでいるし、僕も矢野監督が甲子園でガッツポーズしている姿を早くみたい。若い選手は経験を積んできた。そこに矢野監督が掲げる明るさがあれば、この逆境を必ず乗り越えて頂点がみえてくると信じています。